お客様用の駐車場があるかないか、それがマンションの評価につながる場合があります。
戸数に対して、来客用駐車場の区画は十分な数が確保されているでしょうか?
裏付けになるデータを探してみたのですが、残念ながら国土交通省の調査では、マンションの来客用駐車場の台数のデータは取っていないようです。
住戸数と来客用駐車場区画数の関係
そこで私の完全な経験則と主観でお話しさせていただきます。地方都市がベースです。
私が携わった物件での最小値・最大値は概ね次のような値です。
来客用駐車場 | 最小 | 最大 |
---|---|---|
区画数 | 1~2台 | 5~7台 |
充足率 | 2%未満 | 7%以上 |
規模の大きなマンションほど、区画を用意しやすいでしょう。敷地が広いですからね。
でもその区画数には限界はあります。
収入を生まない区画の数をどこまで許容できるか?というお金の問題に直結するからです。
珍しくグラフなんか作りましたけど「戸数が増えると来客用区画も増える。でも戸数に比例して増やすことはできないので、一定規模以上になると足りなくなる」と言いたいだけです。
さて、これはあくまで個人的な経験則でしたが、皆さんのマンションはいかがでしょうか?
平日は空いているけど、週末や連休は停められないこともあるね。
GWやお盆休みは特に混雑するから、もうちょっと増やしてほしいな。
繁忙期と閑散期があるので、稼働率100%を目指す必要はありません。
しかし平日でも恒常的に満車になっていると、苦情・ルール違反・マナー違反を生み出す原因になるので、意外に無視できません。
バランスを取るのがむずかしい
- 来客用を増やせば、管理組合の収入が減る。(入居者は満足)
- 来客用を減らせば、入居者の満足度が下がる。(管理組合は増収入)
この需要と供給、メリットとデメリットのバランスを取るのが難しいところでしょう。
車離れが進んで、駐車場はどんどん空いているんでしょ?
空いている区画が増えれば、自然に来客用駐車場が増えるんじゃない?
確かに色んなニュースなど「車離れ」という言葉を目にする機会が増えたように思います。
「車離れ」という言葉が登場してから何年も経つけど、実感としては、少し需要は減っているけれど、どんどん駐車場が空いている感じはしないなあ。
実際のところ「データ」はどうなっているのでしょうか?
調べてみたところ、東京と地方では少し事情がちがうようです。
「駐車場台数」と「自動車保有台数」の推移
マンションに限らないデータですが、傾向は変わらないと思いますので、国土交通省の資料から引用します。
全国総数
【左のグラフ】駐車場台数は増え続けていて、【右のグラフ】車の台数も増えています。
基本的に右肩上がりですが、車の台数は平成15年頃から鈍化していますね。
にもかかわらず、駐車場はほとんど変わらず増え続けています。
「不景気になると車が減って駐車場が増える(建物が建たない)」ということでしょうか?
この増え方の差が「車離れ」と言われる理由かもしれませんね。
東京23区
【左のグラフ】駐車場台数は増え続けていて、【右のグラフ】車の台数は減少しています。
駐車場が24%増に対して車の台数は9%減。(折れ線グラフにすると減り方が極端に見えますが、縦軸が狭いせいかも・・・)
縦軸(数量)と横軸(年数)が違うので、全国と東京のグラフを並べると印象操作のようで気になりましたが…。
しかしここ10年、東京では駐車場は増えて、車は減っているのは確かですね。
こうしてみると、全国的に「駐車場がどんどん空く」という状況になるには、まだしばらく時間がかかりそうかと思います。(私の日ごろの感覚に近いデータでした)
でも東京に関しては既に車の減少が始まっているので、駐車場の空きが増え始めるし、既に空いているマンションもあるでしょう。
地方とは交通の便や維持費が全然違うから、本当の「車離れ」が起きているのでしょう。
来客用駐車場の現状についてまとめたところで、今回は終わりにします。運用まで書きたかったのですが・・・・長くなったので次回に!
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