管理組合が契約している保険の契約について、保険会社と代理店をどうやって決めたでしょうか。
管理会社から勧められるまま?
管理会社が代理店も兼ねている?
マンションの住民が代理店?
そもそも保険会社と代理店を区別せず、意識したことがない方も多いのではないでしょうか。
実は非常に難しくて、重要なテーマです。
保険会社・代理店の選び方によって、保険の内容・保険料が大きく変わる可能性があります。
保険会社の選び方
結論を先に言うと、国内大手の保険会社で一番安ければどこでもいいと思います。
外資系は商品が特殊だったり、経験が浅かったりするので、管理組合から頼まれない限り選択肢に入れたことがありません。
私の場合は、見積もりを取るなら最大でも国内の大手5社です。
特に保険料が高くなる「築年数が古いマンション」の傾向をまとめました。
※これまでの経験則によるまとめです
保険会社 | 特徴 |
東京海上日動火災 | 築年数が古くても安い、契約年数や免責の設定が厳しい |
損害保険ジャパン | 築年数が古くても安い |
三井住友海上火災 | 高い傾向、築浅向け?稀に安いので外せない |
あいおいニッセイ同和 | 高い傾向、築浅向け?見積もりを辞退することもある |
日新火災海上 | 組合運営に自信があればが最安(後述) |
通常は、東京海上日動火災、損保ジャパンの2社をメインで競わせます。
大体この2社で安い方が選ばれることがが多いです。
三井住友・あいおいニッセイにも見積もり依頼する場合もありますが、基本的に保険料が高いです。
あいおいニッセイは築年数が古いと「辞退」する場合もあるので、築年数は本当に不利だと感じます。
保険商品の内容は各社で少しずつ異なる点があるため、全く同じ比較はできません。
でも最初の時点ではあまり気にしすぎず、違いがあることを押さえておけば十分でしょう。
最安値?日新火災のマンションドクター
どうしても予算内に収まらない場合や保険料を安くしたい場合は、日新火災のマンションドクターを紹介します。
無料でマンション管理士が派遣され、管理組合の運営を査定して点数を付けます。
査定に要する時間は建物の規模によって異なりますが、1日・2~3時間くらいです。
たくさんの資料を用意して、理事長にも立ち会ってもらい、書類審査とヒアリングが行われます。
その管理組合運営状況の審査結果が良好の場合、保険料が割り引かれるという仕組みです。
「良質なマンション運営だから事故のリスクも低い」という判断をするのでしょう。
ところが審査するマンション管理士も色々で、意地が悪かったり、好意的だったり。
中には自己主張の度が過ぎる人もいます。
なんでこんなこともやってないの?
なんで規約改正せず古いままなの?
他のマンションはみんなやってるよ?
客観的に審査だけしてくれればいいのに。
結 論
- 築年数が古い場合は「東京海上日動」「損保ジャパン」の2社が安い傾向
- 管理組合の運営に自信があり、かつコストを抑えたい場合は「日新火災」も選択肢に加える
- 三井住友・あいおいニッセイは、保険料が高めのため、必要なときだけ見積もり依頼
代理店の選び方
保険会社を選べば、代理店はどこでも一緒だと思っていませんか?
いえ、代理店の質の方がずっと重要だと思います。
といっても決して高いレベルを要求しているわけではなく、普通の仕事をしてくれればいいんです。
裏を返せば、首をかしげてしまうような仕事ぶりの代理店が多いということですね…。
それって管理会社の仕事?代理店の仕事じゃないの??
- 契約の締結(重要事項説明)
- 事故が起きた時の保険金請求や示談手続き・捺印受領
- 当事者への連絡調整
- 鑑定人との連絡調整
契約者は「管理組合(理事長)」なのに、管理会社に書類を送ってくる代理店が多すぎます。
そして用紙のほとんどが空欄です。
代理店が自分の仕事だと認識したうえで、手助けが必要と依頼されれば手伝います。
困ったときはお互い様ですし、円滑に処理するのが管理組合の一番の利益ですから。
しかし代理店の仕事を管理会社にやらせようとするのは納得がいかないんですよね。
- 白紙で説明文書もついていない・・・説明文をフロントが作って理事長に渡します
- 事故処理の進捗報告をしない・・・・被害者からフロントに問い合わせが来ます
- 理事長に面談しようとしない・・・・捺印受領、書類送付などフロントが対応します
これらが代理店の仕事じゃなければ、私の勘違いなのですが。
でも信頼関係が築けない代理店は、次の契約で変更させてもらいます。
この苦労・ジレンマは、管理組合に伝わらない部分だよなあ。
誰が処理しようと管理組合的には同じ結果だし。
管理会社が代理店を兼ねている場合
管理会社が保険代理店を兼ねるケースも多いと思います。
もし管理会社の社内に保険専門の部署があって、複数の保険会社の見積もりを出せる、保険の知識も経験も十分にあるならいいと思います。
でも「1社専属で他の保険会社の見積もりは出せません」「保険専門の担当者がいません(知識と経験ありません)」というのでは、あまりに不親切です。
代理店は保険のプロ
事故が起きたとき、管理組合や被害者の利益のため、時に裏技のようなテクニックを駆使して処理してくれる代理店もあります。(保険金が出やすくしてくれる、手続きをスムーズにしてくれる、もちろん適法なやり方で)
これは保険のプロとして期待される一番大事な役目じゃないでしょうか。
「プロ」の代理店にはたびたび感心させられ、助けられ、勉強になります。
安易に「代理店は管理会社で安心」「どこの代理店でも一緒」とは言えない理由はここです。
代理店はどうやって探す?
代理店を選ぶといっても、なかなか手掛かりが無いと思います。
正直なところ、おススメの代理店は?と聞かれても、管理会社も困るはずです。
DM(ダイレクトメール)も情報源のひとつ
いつもなら、管理事務所に届くDMはゴミ箱に直行することが多いのですが、保険のDMは情報収集のためチェックしています。
- 主要保険会社の一括見積もりができるか
- マンション管理組合の案件をたくさん扱っているか(知識と経験は豊富か)
- 会社形態で営業しているか(担当者の数は十分か)
あとは「不安をあおる」「期限を切って急かす」「過剰な表現」など、不誠実な表現がないかどうかもチェックします。
これらの条件をクリアしていれば、一括見積り依頼をしてみます。
担当者と見積もりのやりとりをするだけでも、提案能力があるかどうかが分かります。
(見積もり依頼したこと以上の内容で見積もりを出してくれます)
まとめ
保険会社と代理店、それぞれ選び方や選ぶ基準が違うことを認識しましょう。
・保険会社は基本的に最安値で選ぶ。
・代理店は知識・提案・対応を重視で選ぶ。
ダメな代理店でも、実はフロントが裏でカバーしていたりするので、ねぎらってほしいな。
保険の商品・制度・保険料はしょっちゅう変わるので、どこの保険会社が一番いいのか毎年のように変化します。
パンフレットには載っていない、保険会社内部の基準も頻繁に変わります。
代理店を大事にしていれば最新の情報を提供してくれて、お得で有利な保険を選ぶことができるはずです。
管理会社に全部お任せでは、情報と利益を逃すかもしれません。
理事会から、情報収集したいという意思を伝えましょう。
そうすればフロントはそのために一生けん命、働きます!
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