防災対策~停電に備えて日常備蓄でお湯と暖房を確保する

カセットガス備蓄

以前、個人の防災対策について次のテーマで記事にしました。
 避難所までたどり着くには命を守ることが大事。
 避難所にたどり着くために、身の安全を守ろう。

今回は、もし冬に停電したら・・・ということを考え、カセットボンベの備蓄について調べてみました。

※今回も記事作成にあたり、YoutubeのそなえるTVさんを大いに参考にさせていただきました

2018年・大規模停電発生

記憶に新しい2018年、大規模な停電が3度発生しました。
(台風21号、台風24号、北海道胆振東部地震。偶然にも同じ9月。)

地震や台風などによる大規模停電は、日本中で起こる可能性があります。

中でも北海道胆振東部地震では、地震の影響がない北海道全域まで停電してしまうブラックアウトを経験しましたが、唯一の救いは寒い時期ではなかったことです。

もし暖房が必要な時期だったら?

断水どころの騒ぎでは済まなかったはずです。

寒がっている女性のイラスト
冬の停電は生死にかかわります

管理組合の備えと個人の備え

2018年の後、管理組合では災害用備蓄品を揃えるため、盛んに議論が行われました。

しかし、管理組合が住民全体の備蓄品をカバーするのは無理があります。

集会室を避難所として開放することを想定して非常用発電機を用意したり、受水槽に緊急採水用蛇口を増設したり、ライトや電池を購入したり、最低限の備えしか出来ません。

飲料水や非常食を揃えた例もありますが、消費期限の管理、趣味嗜好・アレルギー等の個別対応が出来ないなど問題になり、断念する管理組合が多いです。

つまり管理組合の備えは補助的なもので、「自助」を第一に考えなければ十分な備えとは言えません。

住民さん
住民さん

でも非常用発電機を個人で準備するのは難しいな

そこでカセットコンロ・カセットガスストーブ・カセットボンベの3点があれば、それほど多額の費用を掛けずに「暖房」と「調理」をカバーすることができます。

そして備蓄品を用意して継続するため、基本になる「日常備蓄(ローリングストック)」という考え方があります。

日常備蓄(ローリングストック)って何?

備蓄品を購入したまま使わず、気づいたら消費期限が過ぎてしまっていた…というのはありがちです。

特に、乾パン、水、缶詰などの食料品は注意が必要です。

日常生活で少しずつ使う → 使った分を補充する → 備蓄する → 使う・・・・

このサイクルを回すことで、買ったものを消費しつつ、消費期限も延ばせるのが日常備蓄の良い所です。また、自然に防災訓練にもなります。

ローリングストックのイラスト
ローリングストックともいうそうです

防災用品は、買うとなんだか安心して満足してしまいます。

かくいう私自身もそうです。反省。

一度も使わず期限切れ、いざという時に期限切れ、なんてことが無いように、日常備蓄のサイクルに組み込みましょう。

カセットガスは、何をどれだけ用意すればいい?

カセットガスの中身は2種類

カセットボンベの中に入っているガスは、2種類あるので購入時に確認してみましょう。

一般的に使われるのは「ブタン」の方です。

ガスの種類ブタンイソブタン
値段安い高い
燃料力普通ハイパワー
使える気温(目安)10℃以上0℃以上
使う場所常温・室内寒冷・高地
蒸気圧普通高い
(火力が強いが早く消費)
マイカセットボンベ

あらためて、私の家で準備している備蓄のカセットガスを詳しく見てみました
メーカーや種類も何も考えず、安いのを買ってました。
調べてみたところ、中身が同じブタンならメーカーによる性能の差はないそうです。

マイカセットボンベ・ブタン

液化ブタン」という表記があるので、普通のカセットガスですね。

気温が低すぎると(10℃以下くらい)ガスが気化しないので使えないという弱点が。

そんなときは、人肌で温めてから使えば着火できるそうですよ!

マイカセットコンロ

カセットコンロは2台用意しています。

使用期限は「7年」

中身のガスは、腐りません。

外側も鉄なので、サビたり傷つけない限り大丈夫です。

ですが、部品として使われているゴムパッキンの耐用年数が7年とされています。
(屋外トランクルームなど、湿気の多い場所、高温になる場所に保管しないようにしましょう!)

マイカセットコンロ有効期限

ボンベ本体の底などに、製造年月日が印字されています。

それに+7年した期限をマジックで大きく書いておくと分かりやすいですね。
(今回初めて書きました・・・あと4年!)

使用期限が来る前に使って、使ったら補充!
これが日常備蓄です。

どれ位のカセットボンベを備蓄すればいい?

2018年の3度の大規模停電では、50時間~120時間で99%が復電しています。

このことから考えると、最低3日分は用意したいところでしょう。

多くの災害対策のサイトを見ると「7日分」と書いていることが多いのですが、1~2人分ならともかく、家族が多いと厳しい量だと思います。

ライフラインの復旧に何日かかることを想定するか、それぞれのリスクの取り方によります。

①必要本数の計算 ~ お湯の場合

1日に必要なお湯の量は、人数・気温(夏か冬か)によって異なるし、個人差もあります。

とりあえずの目安、1人あたり1日3Lとすると、カセットボンベ0.5本/日が必要だそうです。

4人家族・3日間のお湯  3L×0.5本×3日×4人 = 18本

②必要本数の計算 ~ 暖房の場合

カセットガス1本で2~3時間程度の燃焼が可能です。これも使用条件により異なります。

といっても、ガンガン部屋を暖め続けるのは難しいくらいの燃焼パワーです。

10時間ストーブ使用 4~5本×3日 = 12本~15本

①+② 合計

暖房分まで含めると、4人家族で3日間の必要備蓄本数は 30本でした。

7本しか持っていないので、全然足りなかった!

300kg以上のLPガスを保存する場合は消防署への届け出が必要です。
カセットガスは1本250gですから、1200本以上。
家庭の備蓄でそんなに保管する人はいませんので、通常は問題ありません!

日常備蓄で使い切らなくては!

使用期限7年で、先ほどの例の30本を使い切るには

30本 ÷ 7年 = 4~5本/年

1年に4~5本使えば、日常備蓄のサイクルで循環します。

鍋を年に2~3回とストーブを半日ほど使えば4~5本は消費すると思うので、これなら無理なく使えそうです。

忘年会のイラスト「飲み会・鍋」
鍋パーティー?いえ、防災訓練の一環です!

まとめ

カセットボンベの備蓄は有効な防災対策だと思います。
ただし室内に数十本単位で保管することについて、どう取り扱うのか管理組合内で話し合った方がいいでしょう。

使用細則で、爆発や引火の恐れがある物品の持ち込みは、管理組合の承認・届出・禁止など、定めている可能性があります。

  • 4人家族で3日分の備蓄に必要なもの
    1. カセットコンロ
    2. カセットガス 30本程度
    3. カセットガスストーブ

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