お互いの専門分野を尊重しなければならない理由~協力会社がなければ管理会社は成り立たない

協力

管理会社というのは、何の専門家なんだろうと考えることがあります。

もちろん「マンション管理の専門家」なのですが、カラスの生態から騒音問題から大規模修繕工事など、建物・生活に関わる広い範囲に及びます。

よく知識は「広く浅く」と言われますが、時には深く掘り下げて答える場面も多くあり、全く知りませんでは信頼されません。

そのために資格を取ることはもちろん、場数を踏まなければどうしても身に付かない経験もあります。

スペシャリストに敬意を払わなければ管理会社は成り立たない

管理会社が自分たちだけで出来ることは、本当にごく限られています。

様々な分野の専門家の協力がなければ成り立たない仕事です。それを分かっていれば、ぞんざいに顎で使うフロントはいないはずです。

またその逆もしかりで、その専門家たちも分譲マンションに精通しているわけではないので、お互いが敬意を持って補い合って付き合わなければ、いい仕事が出来ません。

それが出来れば、管理組合にとっても利益をもたらすでしょう。

専門業者の協力で成り立つ仕事です

入社して1年ちょっとの頃の話です

まだ駆け出しだったころ、大規模修繕工事が何年間も棚上げになっているマンションの担当を引き継ぐことになりました。

管理会社の設計部門が建物調査診断・改修設計まで行っていたのですが、「設計予算(想定される工事費)」が管理組合の予算を大幅に上回り、高すぎるということで工事に踏み切れずにいました。

無駄な会議のイラスト
理事会を何度開いても進展していませんでした

そういう停滞した状態からのスタートで、正直いって経験の浅い自分には重荷に感じました。

コンサルタントを変更して動き始める

役員が知人の設計事務所を連れてきて、コンサルタントの変更を提案。。

コンサル
コンサル

設計内容を変更すれば、もっと安く工事が出来るんですよ!

え?これって仕様を削って、あと単価を安く見積もっただけじゃないの…?

見かけの工事費が安くなるのは当たり前です。しかも、この時点では「設計上の予算」に過ぎません。

問題は、今年中に改修工事に着手するべきだ、すぐに臨時総会を開催してほしいと要求してきたことでした。その時点で既に7月。9月に着工して年内に終わらせようというスケジュールです。

そんな短期間で着工なんてあり得ないスケジュールだと思いますけど、当時は分かっていませんでした。

来週中に臨時総会を開くすると、規約では1週間以上前に通知が必要ですから、スケジュールに無理があると思いますよ。

コンサル
コンサル

それを何とかするのが管理会社じゃないのか!?

役員
役員

まあまあ落ち着いて…何とかなりませんかね?

・・・・・・やれやれ

理事会が終わってから会社に戻って、総会案内を作成してその日の夜中に配布。あとのことは知らん!という気持ちでした。

忙しく仕事をしている男性会社員のイラスト
ただの意地でした

その後もなぜか敵意を見せるコンサルに意地悪な質問をされたりました。

コンサル
コンサル

このマンションは積立金をいくらに上げなきゃいけないか、管理会社なら分かってるだろうね?

戸あたり平均で20,000円以上は必要でしょう

コンサル
コンサル

・・・・そうだな。

何が腹が立ったかというと、管理会社の仕事を尊重せず、自分の都合と思惑だけで管理組合を操って、更にこちらの領分にまで踏み込んできたことでした。

管理会社の役割を考えてみる

あらためて管理会社の役割を考えてみると、自分たちだけでマンション管理は成り立ちません。

事務管理業務(請求・支払・決算予算・理事会総会支援など)、管理員・清掃員業務以外、大半を協力会社に再委託しています。

また、単発の付き合いになる業者さんであっても、その専門知識や技術の協力があってこそスムーズに事が運びます。

最初の方に書いたように、その各業者さんたちは「分譲マンション」と「賃貸マンション」の対応の仕方を分かっていなかったり、各マンションの事情や特性を知らずに現場に入ります。

そこに管理会社の役割があります。いかにトラブルが無いように仕事をしてもらうか、裏から管理したり支援すること。専門家と、管理組合や住民さんとの間に立って通訳すること。

トラブルが起きれば管理会社にクレームが。何ごとも起きなくて当たり前。

目に見えず評価されにくいことですが、これも立派な「専門分野」だと思います。

お互いの専門の領域は尊重しなければならないから、必然的に相手の専門分野に土足で踏みんで侵すようなことはしてはいけないし、どちらか一方だけが得しては信頼関係が築けません。

協力会社さんとの信頼関係は、フロントの貴重な財産だと思います。たとえ職場が変わっても続いていくものです。

このような表に出ない成果もあることを、知っていただけるとありがたいなと思っています。

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