水道料金が上がったら?~原因を考えるために確認したいこと・確認できること

水道料金

先日、私の手元に自宅に検針値と金額が記載された「上下水道料金のお知らせ」が届きました。
金額を見てギョッとしたのですが、いつもより使用料金が3,000円くらい高かったです。

前回検針時の使用”量”と比べると、12㎥も増えていました。
1㎥ = 1,000リットル なので、実に12,000リットルも多く使ったということです。

なんでこんなに使用量が増えたんだろう??

水道料金が高くなる・使う量が増える原因は色々考えられるので、自分でシミュレーションして原因を探ってみました。

水道局の検針期間と料金体系

検針の周期は1ヶ月または2ヶ月ごと、自治体により異なります。
料金体系も自治体で違いますので、水道局のHPで確認できます。

多分どこでも共通だと思うのですが、使う量が多くなればなるほど、1㎥あたりの単価がどんどん高くなる仕組みになっています。
水道料金を管理組合で請求している場合も、自治体と同じ料金体系を使っているのが殆どでしょう。

管理会社にも水道料金の問い合わせは多い

住民さん
住民さん

そんなに使ったつもりはないのに、今回の水道料金が高いんだけど??

水道料金が変動するのはいくつかの可能性が考えられるので、一つずつ確認してみましょう。

可能性その① 検針値の間違い

マンションの水道メーターは、管理員が検針して管理会社が請求書を作成し、管理組合に代わって請求しています。※受水槽方式など、管理組合が水道料金を請求する場合です

もし前回の検針時の使用量と比べて大きな差異がある場合は、管理会社の請求担当者から管理員に問い合わせの連絡が行きます。
メーターの読み間違いではないか、何か特別な事情があるのか確認して、念のため再検針してもらいます。(全ての管理会社でこのような確認が行われているかどうか分かりません)

ですから検針値の間違いということは、そう多くないケースだと思います。

メーターは見づらい場所にあります

可能性その② 水漏れ

配管からの水漏れなら、すぐに下の階に被害が出るので考えづらいです。
もちろん、1階なら発覚が遅れる可能性があるのでこの限りではありません。

もっとも多いのは、古くなったトイレのタンクの浮き玉などが故障し、少しずつ水が流れ出つづけるケースです。

便器内の溜まり水が、使っていないのにさざ波のように動いていたら要注意です。

トイレ溜水
水面がいつまでもユラユラ動いていたら水が流れているかも!

温水ボイラーが設置されていれば、タンク内のお湯がオーバーフローして、排水管から流れ出てしまっている可能性もあります。
夜間電力で湯沸かしするタイプだと、夜中の湯沸かし時に水が漏れるので(しかも排水に直接流れるので分かりにくい)、発見が遅くなってしまいます。

可能性その③ 水道メーターの故障

水道メーターは「計量法」という法律により、8年ごとに交換することが義務付けられています。
このことは経済産業省メーカー(アズビル金門)のホームページに詳しく解説されているのでご参照ください。

水道局管轄のメーターなら無償で自動的に交換してくれますが、管理組合の管轄の場合は「私設メーター」となりますので、8年を超えたまま長期間交換していないケースもあります。

私設メーターと言えど法律上は罰則規定があるのですが、8年周期できちんと交換し続けているのは珍しいかもしれません。

メーターが古くなったときに起こる不具合

メーターが古くなると「メーターの回転が遅くなる」という不具合が起こります。
つまり、実際に使った量よりも少なくカウントされてしまいます。
この現象が複数のお部屋で発生し始めると、管理組合の水道料金収支差益が減少またはマイナスになるので、決算書を見てようやく「何か変だぞ?」と気付きます。

稀にその逆の「回転が速くなる=使った量より多くなる」こともあるらしいですが、私自身も経験したことがまだなくて、事例は少ないと思います。

水道メーターを交換すると問い合わせが増える

長年交換していなかった水道メーターの交換工事を行うと「水道料金が高くなった!」という問い合わせが急増します。

料金が高くなる理由は、前述のような「回転が遅くなる不具合が解消された=正常に戻った」からです。

あまりにこの問い合わせが多くてパターン化しているので、総会の議案書やお知らせで「料金が高くなったと感じても、それは正常な値に戻ったんです(つまり今まで得していたんですよ)」ということを書いて、総会でも説明しています。

それでも問い合わせが来るので、自分の文書は読まれないんだなあ…工夫が足りないのかな、と反省します。

可能性その④ 入居者数(来客者数)の変化

連休などで親族が泊まりに来た場合、トイレ・洗濯・お風呂の使用量が何倍にも増えます。

親族でも気をつかって浴槽のお湯を入れ替えると、浴槽1回のお湯はりで200~300リットル、更に人数分のシャワー。(参考:LIXILのHP

洗濯はドラム式とタテ型でかなり違い、1回あたり50~150リットルくらい。(参考:パナソニックのHP)

トイレは1回流すと5~6リットルくらい。(参考:TOTOのHP

人数と滞在日数によっては、3~4㎥(3,000~4,000リットル)くらい増加するかも??

帰省期間の水光熱費は思った以上に上昇する

巣ごもりと在宅ワークで水道光熱費が上昇!

冒頭の、私自身の水道使用量の増加の原因を考えてみたところ…

検針期間の変化・連休巣ごもり・在宅ワークが原因??

今年(2021年)5月の検針日はゴールデンウィークと重なっていたため、連休明けにずれこんでいました。その結果、検針の期間が前回より5日間も多くなっていました。

更に、連休中はステイホームで家族全員がほぼ在宅していたため、トイレの使用量が大幅に増えたはずです。

連休以外の平日期間も、夫婦そろって在宅ワーク中心の生活のためトイレの使用量が多くなったし、スーツより私服の着用機会が増えたので洗濯回数も多くなりました(1日1回→2回)。

このように原因をひとつずつ考えながらざっくり計算してみると、2ヶ月間で9~10㎥くらい増えても仕方がないかなと、12㎥には達しないものの、そこそこ納得のいく数値が算出できました。

あくまでザックリの計算なので、今回は一応納得して様子を見ることにしました!

かんたんに出来る計算方法

①: トイレ・洗濯機・お風呂の1回あたりの使用水量を、取説やメーカーのHPで調べる

②: それぞれ、1日に何回くらい使用回数が増えたか決める(大よその数字で)

③: ① × ② × 検針期間の日数 で増加した量を算出する

④: リットルを㎥に変換する(1000リットル=1㎥)

トイレ・洗濯・お風呂以外は考慮していませんし、②の数字が大雑把な設定なので、計算結果はかなりの概算値になります。

水道料金が高いかな?と思ったら

料金を比較しても、たぶんワケが分からないです。使用”量”を比較しましょう。

自分や家族の生活がどう変化したか考えながら、使用量を試算してみます。
ただし正確な数値を出すのは不可能なので、傾向を掴むためには「何か月か様子を見るんだ」というくらい、気持ちにゆとりを持っていた方が良いと思います。

万が一、水漏れが発覚したら?

漏水が原因で水道料金が増えていたのだとしたら、水道局に申請したら料金の減免措置を受けられるかもしれません。認められれば一部の水道料金が返還されます(通常は請求金額と相殺)。

その手続きのためには水道局の指定業者が修理した証明書が必要ですから、修理の依頼先は指定業者かどうか確認しましょう。

なお、管理組合が検針して水道料金を請求しているマンションでは、水道局に申請しても減免措置は受けられません。
返金をお願いするとしたら、相手は管理組合になりますが・・・・一般論として、返金しないのが通常の対応だろうと思います(おそらく水道供給規定に返金の根拠規定まで定めていないでしょう)。

水道代が高いかな?と思ったら、一つずつ原因を考えてみましょう。

使用料金ではなく「使用量」で比較するのがポイントになります!

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