自分が携わったことのあるマンションの中から、無作為にピックアップしてみました。
全部を調べるのは大変なので、カメラが設置されている中から25棟です。
管理員が居ないマンションでは、防犯カメラの設置割合が低かったです!
今回しらべた25棟は築年数がやや古いため、ほとんどが後付けでした。
ここ最近、築15年以内くらいのマンションなら最初からカメラがあるでしょう。
どこに付けているか調べてみた
こちらが集計結果です!
エントランス 設置率100%(25/25棟)
25棟全てに設置していました。入口の数だけ設置しているので、台数にすれば60台。
エントランスだけで、1棟あたりの平均は2.4台です。
玄関が複数あったり、裏口があったりすれば、設置する台数が増えます。
人の出入り・流れを把握するためには必須と考えられますので、100%設置は当然なのでしょう。
エレベーター 設置率52%(13/25棟)
エントランスと同じく、エレベーターの数だけ設置しています。台数にして18台。
館内に入った後、何階に行ったのか確認したいものです。
そういう意味で、もっと設置率が高くて良さそうですが「エントランスだけ記録出来れば十分」という意見や、予算的な事情があって省かれることがあります。
原則としてエレベーターの中はエレベーター会社しか設置しないため、費用が高額になるのがネックです。(一部例外はあります)
駐車場 設置率56%(14/25棟)
入居者からカメラ設置の要望が出る場合の多くは、駐車場がらみが発端です。
車に傷がついて凹んでいる!
帰宅したときに無かったから、マンションで付いた傷に違いない!
タイヤを盗まれてしまった…
などなど、駐車場は何かとトラブルが絶えません。
確かに、カメラがあれば原因を特定できたかもしれないケースもあります。
しかし一方で、安易に設置することが出来ない理由もあるので、それは後述します。
廊 下 設置率24%(6/25棟)
廊下に設置できるかどうかは、建物の構造によって決まります。
もうちょっと正しくいえば、エントランスが何か所にも分かれていて、階段室型の構造(2戸~3戸で1つの階段を使用する建物)では台数・工事費が莫大に増えるので、予算的に実現が困難です。
その点、エントランスが1ヶ所で長い廊下のマンションなら、仮に全てのフロアに1台ずつ設置しても台数が少なく済むので、実現できる可能性があります。
構造的・予算的な事情もありますが、そもそも必要かどうか意見が分かれるため、あまり設置数は多くありません。
ゴミ置き場 設置率32%(8/25棟)
ゴミ置き場も何かと問題が起こりやすく、設置の対象になります。
しかし、建物本体から離れた場所にゴミ置き場があれば、配線工事・電源の確保に大きな費用が掛かるため断念せざるを得ない、ということもあります。
不法投棄・マナー違反対策のために「抑止力・威嚇効果」を期待するものなので、離れた場所に設置しても意味が薄れてしまいます。
カメラを目立たせなければいけませんからね。
ゴミ置き場のカメラは管理員の仕事を増やす可能性がある
違反ゴミ発生 → 防犯カメラをチェック(犯人捜し)
違反ゴミの都度、映像を遡ってチェックしているようでは管理業務に支障が生じます。
よほど悪質なケースは別として、違反ゴミの犯人捜しをすることには様々な問題があります。
- 日時を特定できないので膨大な時間が掛かる
- 個人情報・プライバシーの問題(無関係な人の様子も見ることを避けられない)
- 部外者による違反ゴミなら特定が不可能
- 行為者を特定したとして、誰がどうやって注意するか
カメラがある以上は「映像を確認しないならカメラを設置した意味がない」という意見も出ます。
だからこそ設置箇所は、運用面も考えて決めるべきです。
以上、25棟から見たカメラの設置位置の優先度(当サイト独自基準)はこうなります。
<必 須> エントランス
<可能な限り> エレベーター
<余裕あれば> 駐車場、ゴミ置き場 など
駐車場は「位置」と「方向」に注意
駐車場にカメラを設置する場合は、特に注意が必要です。
「駐車区画」と「車路・入口」を分けて考える
駐車場と一口に言っても、車を停める「駐車区画」と車が走行する「車路・入口」では性質が異なります。
駐車場全体は共用部分で、「駐車区画」は契約者が専用で使用し、「車路・入口」は誰でも利用します(来客用駐車区画も)。
私の経験上ではありますが、カメラを設置したいという要望の大半は「駐車区画に停まっている自分の車を守るために監視したい(何かのトラブルが起きたから)」というものです。
しかし全ての駐車区画を平等に撮影範囲にすることは、まず不可能です。
隣の車の陰になってしまって、映っていない!
同じ駐車場料金を払っているのに不公平だ!
防犯カメラの意味がないじゃないか!
駐車場のカメラの撮影目的
駐車場にカメラを付ける場合、前提をハッキリ示しましょう
駐車場に付いているカメラは、あくまで車の出入りを監視するためです。
駐車車両を監視するのは、目的ではありません。(車は、たまたま映っているだけ!)
このことを計画段階で説明・周知徹底しなければ、先ほどのクレームにつながります。
もちろん、全区画を漏れなく撮影できるカメラを設置する計画ならいいのですが、小さな駐車場じゃなければ難しいですよね。
実際問題として…
駐車場内でトラブルが発生して、その現場が“たまたま映っている範囲で起きた事故”なら全く映像を見ない、というわけでもないのです。
大っぴらには言えませんが、そこまで杓子定規に対応するものでもないので。
確認はしてみますけど、駐車区画を撮影するカメラじゃないので、期待しないでくださいね…
ただし確認したい日時が相当絞られていること、管理組合が映像確認を許可している(正規の閲覧手続きを経る)など、無条件ではありません。
防犯カメラは抑止力を期待できますが「設置したら終わり」ではありません。
映像を確認する「運用」も想定して、設置場所・台数・撮影角度・ルールを考える必要があります。
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