エントランスやエレベーターの中に置いているマットは、レンタルなのか買い取りなのか、年間の維持費がいくらかかっているか、気にしたことはありますか?
たぶん世の中のマットはレンタルが主流で、定期的・自動的に交換されるマンションが多いのではないでしょうか。
そのマットのレンタル料は、毎月・毎年かかる「固定費」です。
いくら支払っているのか、決算書を確認してみてください。
管理費の収支が厳しくなっているマンションが多い中、数ある削減案のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
規模が大きいマンションなら気にならなくても、戸数が少ないと、意外に負担割合が大きいことがあります。
もしかしたらコストを削減して、しかも今よりグレードアップできるかもしれません。
ちょっとセコイと言われそうなテーマですが、玄関マットについて解説してみます。
固定費の削減効果は永年です!
マットの「目的と機能・効果」
マットの目的は、下の表に挙げた3つがメインだろうと思います。
つまりこれらの目的さえ満たせば、レンタルにこだわる必要がありません。
目 的 | 機能・効果 |
---|---|
ホコリを取る | 屋外から土砂が入るのを防いで館内を保護する |
滑り止め | 靴の裏の水分を吸収して、館内の転倒事故を防ぐ |
美観向上 | デザイン性が高まる(高級素材の場合) |
レンタルと買い取りの「ちがい」
新築時の最初からレンタルの場合、そのままずっと継続していることが多いです。
そして、それが当たり前になって誰も気にしていません。
もっとも、マンションの規模や管理状態によっては、レンタルの方が向いていることもあります。
そこで、どんなマンションがレンタル・買い取りに向いているか、それぞれの特徴をまとめてみました。
レンタルマットの特徴
●オリジナルのロゴを入れることもできる
●定期的(2週間~4週間ごと)に交換して清潔な状態を維持する
●汚れが付いてしまったとき、臨時で交換してくれる(多くの場合は無料)
例)90センチ×150センチ、安い素材なら … 900円/回くらい
➡ 2週に1回交換なら … 1,800円/月・20,000円/年くらい
●特注品は契約期間にしばりがある(解約すると違約金が発生)
●マットのバリエーションは各業者が取り扱う製品に限られる(選択肢が限られる)
●高級感のあるタイプは廉価版の2~3倍以上の料金がかかることもある
●日常の手清掃・お手入れは必要(管理員や清掃員が掃除機がけなど)
買い取りマットの特徴
●色や素材違いを予備で用意しておけば、ときどき気分を一新できる
●無数の色と種類から自由に選べる
●交換用の予備マットが必要(必要な枚数の2倍)
●予備マットを保管するスペースが必要
●特殊なサイズや形状に加工できない場合がある
●汚れたら予備と交換してクリーニングが必要
●定期的にクリーニングが必要
●サイズが大きくて枚数が多いと交換作業が大変
●人の通行が少なければあまり傷まないので5年以上は使える
●日常の手入れは管理員・清掃員が掃除機で清掃する(レンタルと同じ)
「買い取り」は交換の手間、保管場所の確保が必要です。
買い取りを決める前に、管理員さんや清掃員さんと打ち合わせしましょう。
買い取りのマットの種類は?
下記のマットは、私の担当マンションで買い取った実績があるものです。
二種類の繊維が組み合わされていることで、耐久性と柔らかさの両方の効果があるし、値段が安い割に見た目がいいです。
毛足が短いものや柔らかいものは、耐久性が劣るので、ちょうどいいかなと思います。
やわらかい糸と固い糸の組み合わせで吸水と除塵の性能を高めている
※図はテラモトのカタログから引用
もう少し厚みと高級感があるタイプ。
値段も手ごろだし、見た目も機能もいいです。
レンタルと買い取りの「年間コストの比較」
90センチ×150センチ程度で一般的なマットの1枚あたりコストを、レンタルと買い取りの2通りで試算してみました。
考え方だけ参考にして、「単価」や「枚数」を変えれば誰でも簡単に計算できますよ
買い取り‥‥ 19,000円 × 2枚(予備含む)÷耐用5年 = 7,600円/年 +クリーニング代
素材やサイズ、交換周期、耐用年数の考え方で結果は変化しますが、上記の例では1枚あたり17,000円/年のコスト削減になりました。
エレベーターの中にマットを置く?
エレベーターのかご内のマットは高級感を出せますし、設置しているマンションが多いです。
エレベーターのマットはかごの形に合わせて作るので、ほぼ確実に特注品です。
ひょっとして高額かもしれませんので、単価を確認してみてはいかがでしょうか。
マットの目的は「汚れを取る」ことです。
つまり意図的にエレベーターの中に汚れを残すことになってしまいます。
個人的に、あまりおススメしたくないですね。
汚れを館内に持ち込まなければいいので、エントランスやエレベーターの1階乗り場前に置くのが正解ではないでしょうか?
エレベーターのかごは本来の床材そのまま、日常の掃き拭き・定期清掃・ワックス剥離清掃の方が、本当の意味で清潔を保てると思います。
最後に
買い取りマットの大きな問題点は保管場所の確保に困ること、年に数回の交換作業で管理員の手間が増えること。
サイズが大きかったり、枚数が多かったりすると、かなりの重労働になります。
だからこそ、規模が大きいマンションで、枚数が多くなるなら、レンタルが向いています。
ちょっと細かい話になりました。
でも戸数が少ない・マットの枚数が少ないマンションなら、買い取りに切り替えれば年間数万円のコスト削減につながるので、見直しの価値はあると思います!
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