誤解されやすい?「管理員の給与」と「管理員業務費」の違い

計算

さすがに最近もう無いだろうと思っていたことなのですが「管理員の給与」と管理委託費の内訳にある「管理員業務費」を混同されて、いまだに「住民さんからこう言われました」と報告を受けることがあります。

住民さん
住民さん

管理員さん、結構いい給料もらってるじゃない!
高給取りだねえ!

給与と管理員業務費は違いますよ!

住民さん
住民さん

じゃあ、管理員業務費と給料の差額は、管理会社がピンハネしてるんでしょ??

それも違います!

こういう誤解はなかなか無くならないかもしれませんが、きちんと説明して少しでも誤解を解きたいと思います。

管理員「業務費」です

管理員さんを派遣する「業務費」です。そこに給料という言葉はありません。

あくまで内訳の一つの項目として、給与も含まれています。

そして管理会社は、管理員さんを派遣するために色んな「経費」を負担しています。

  1. 本人に支払う給与
  2. 交通費
  3. 社会保険料(厚生年金・労災保険・雇用保険等)
  4. 募集・広告・採用・教育経費
  5. ユニフォーム代(夏用、冬用)、安全靴・ヘルメット等
  6. 代務要員費
  7. 健康診断費
  8. 雑費
  9. 会社経費

会社によって多少項目は増えたり減ったりしますが、ざっとこれくらいでしょう。

給与以外で金額に占める割合が大きいのは、2.交通費(5~7%程度)、3.社会保険料(12~15%程度)、9.会社経費(5~7%程度)です。

仮に「月額20万円の管理員業務費」なら、この3つの項目だけで20%~30%(4万~6万)くらいかかっています。

会社によって考え方や計算がかなり違うと思うので、参考程度にしてください!

最低賃金は毎年あがる

平成27年以降、全国平均で5年間で103円上がっています。

あなたの賃金を比較チェック|最低賃金制度
労働市場のセーフティネットである最低賃金制度を紹介する厚生労働省の特設サイトです。

1年の平均上昇は20円ですから、週40時間勤務なら、月額約3,400円アップですね。

2020年はコロナの影響で据え置きでしたが、ここ2~3年は毎年30円近く上昇しており、今後も上がるでしょう。

最低賃金のアップ分は会社がひとまず吸収するので、管理組合は負担が無く、管理会社の利益率は年々悪化していきます。

業績が下がった人のイラスト(棒人間)
自動的に会社の利益は下がっていきます・・・

最低賃金の上昇を予想して管理員業務費を積算する

「毎年最低賃金が上がるから、毎年管理員業務費を値上げする」ということはどこの管理会社もやっていないはずです。

契約の条件が変更になりますから、毎回、重要事項説明会を開催するのも大変です。

これは私個人の場合なんですけど、5年先の最低賃金を予想して管理員業務費を積算します。

例えば現時点の管理員業務費と比べて、5年後に+100円アップしているとします。

1年後+20円→2年後+40円→3年後+60円→4年後+80円→5年後+100円

1年平均+20円アップとし、各年度の管理員業務費を積算します。
こうして5年間で想定される業務費の平均額を算出しています。

管理員業務費の増額をお願いする場合は、最低賃金の推移を説明して、次のように約束します。

余程のことがない限り、5年間はこの価格で据え置きにします!

値上げも何もせず放置したままの担当者もいて、管理組合は結果的に得していますけど、商売としてはダメですね。

値上げの話は、わざわざ切り出したくない、反発されるのが面倒、という気持ちは分かりますが、適正な価格を提示して交渉するのは真っ当です。

値上げしない努力もします

これまでの経験では、値上げが必要な状況であることをデータを示して説明すれば、反発されることはほぼありません。

とはいえ、管理組合の支出が増えますので、会計を圧迫することになるのは「担当者」として見過ごせません。

支出額を圧縮するため、この機会に許容できる範囲で仕様の変更を考えてみませんか?

管理委託費に占める管理員業務費・日常清掃業務費、つまり「人件費の割合」は非常に大きいです。

そこで仕様変更(仕様削減)して値上げ分を吸収するか、逆に今より値下げする選択肢も提案して、どこまで妥協できるか理事会で検討してもらいます。

  • 勤務の時間短縮(小規模マンションでフルタイム勤務の場合は特に)
  • 週6日⇒5日勤務(土曜日を休み。週休2日にすると求人応募もグッと多くなる)
  • 年末年始、夏休みの日数を増やす
  • 有給取得で休む場合は代務管理員を派遣しない
  • 日常清掃員2名の場合は1名に(代わりに定期清掃の回数を増やす)

「値上げしかない」のではなく、選択肢を用意して、管理組合に選んでもらうのが親切なやり方だと思います。

なお、勤務時間が減る場合、管理員や清掃員の所得が減ってしまうので、あらかじめ本人たちの意向も確認します。

土曜日が休みになる、年末年始や夏休みが増えるなど、多少の収入が減っても休みが増えた方がうれしい、というスタッフが多いです

働きやすい環境を整備するのにも、ひと役買えるんじゃないかと思います。

稼ぐよりも休みが欲しい生活スタイルが増えた?

管理員・清掃員の給与水準

現場の管理員・清掃員は最低賃金か、それに多少の色が付いた程度の給与水準です。

担当者が賃上げしたいと思っても、最低賃金の上昇を除けば簡単に社内の稟議は通りません。

そこで、管理委託契約の条件が変更になるタイミングを利用して、プラス賃上げも積算に混ぜてみたら、稟議が通りました。

契約条件変更のどさくさ紛れじゃないと賃上げが認められないなんて、会社として情けない・・・・

せっかく管理員業務費の値上げが認められたのなら、多少でも現場に還元してモチベーションを上げてもらいたいと思います。

まとめ

  • 管理員業務費 = 管理員の給料 ではない
  • 最低賃金は毎年上がっていて、会社の負担が増している
  • 管理員の給料を「上げない(最低賃金を守らない)」ことはありえない
  • 管理組合には値上げが必要な背景を説明しつつ、値上げをお願いする
  • 単純な値上げだけではなく、仕様変更の代替案も用意する
  • 管理組合の負担軽減と会社の利益確保の両方を考える
  • 可能な限り現場の給与にも反映させてモチベーションを高める

フロントとして、管理組合の負担を軽減することも考えています。

会社の言うがまま値上げに応じろというわけではありません。

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