先日、消防訓練について書いたところ、専門の方の知識をお借りしてとても充実した内容になったと思いました。
そこで次は管理組合の防災対策について書こうかなと考えていたところ、2月13日に東北地方が大きな地震に見舞われました。
時事ネタは書かない方針でしたが、急遽変更してまとめました。
日ごろ管理組合で取り組んでいることと言えば、消防訓練(避難訓練・防災訓練)と、防災用品の備蓄があると思います。
特に備蓄品の選定は盛り上がって、防災グッズにとどまらず、非常食とか水とか発電機とか、どんどん話が大きくなっていきます。
これを言うと色んな人に怒られそうで、ずっと言わなかったことがあります。
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防災用品を買うことが目的になっていませんか?
買っただけで満足しませんか?
そもそもその備蓄品、管理組合で準備する必要ありますか?
本当の意味で備えるには、管理組合は全体のことを、入居者は自分や家族のことを考えて備えなければ、役割分担が不明確になってしまいます。
個人で備える防災対策
「災害があっても管理組合の備蓄品に頼ればいいや」と考えている人はいませんよね。
管理組合が用意できる備蓄には、数にも種類にも限りがあるのは、誰だって分かることです。
入居者全員分は無理ですし、趣味嗜好やアレルギーなど、個別の事情にも対応できません。
自分の命は自分で守るしかないのが基本。
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ホームセンターや通信販売のパンフレットで非常用持ち出し袋が売られています。
一通り揃うパックになって、買うと安心しませんか?満足してしまいませんか?
でも、考え方をちょっと変えてみる必要がありそうです。
![](https://mankanfront.jp/wp-content/uploads/2021/01/me1-150x150.jpg)
非常用持ち出し袋が役立つのは、生きて避難所にたどり着くことが前提です!
非常用持ち出し袋を使うためには自分の部屋から安全に脱出しなければ始まりません。
停電でどこに何があるか分からない。倒れた家具に挟まれて身動きが取れない。ガラスが飛び散って足を怪我して動けない。
そんな状態になってしまっては、全く意味を成しません。
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室内の安全確保ができていることを前提に、非常用持ち出し袋を準備しましょう。
非常用持ち出し袋もおしゃれになっている
非常用持ち出し袋というと、銀色の袋に「非常用」という大きな文字が書いているものを思い浮かべると思います。
![非常用持出袋のイラスト](https://1.bp.blogspot.com/-B8yfLhUQ0LQ/VZt5D8fj6gI/AAAAAAAAuyg/GaJfj8G863M/s400/hijouyou_mochidashi_bag.png)
収納棚の中に置いていてはダメで、玄関など、逃げ出すときにすぐに見つかる場所に置いておくものです。つまり目立つところ。
常設するのが前提なので、お部屋に調和するようデザインにこだわって選んだ方が良いと思います!
置き場に迷う場合、玄関ドアの内側に取り付けられるというのが画期的なバッグもあり、デザインが非常に優れています。
![](https://www10.a8.net/0.gif?a8mat=3H7QA4+D1R12Q+4AL0+62U35)
1.室内の安全対策はどうすればいい?
ベランダの避難経路を確保する
隣の部屋に続く「隔て板」の周りに物を積んでいませんか?
ベランダの上を見上げて避難はしごがあるなら、その真下にエアコン室外機や植木鉢など置いていませんか?物干し竿が邪魔していませんか?
室内の安全確保3選 + α
就寝している時間がもっとも危険です。
無防備な状態で寝ているのと、停電すると一瞬で真っ暗になるからです。
一度だけで済む安全対策として、家具の固定から始めてみてはいかがでしょう。
固定する場所によって、強度を確保できるかどうか確認が必要です。
下記のサイトで詳しく解説されているので、一読の価値ありだと思います。
① 壁にL字金具で固定する
ホームセンターや100円ショップでも売っているL字型の金物をビスで固定する方法です。
もっとも強力に家具を固定することが出来るでしょう。
![家具の転倒防止用品のイラスト「L字型の金具」](https://1.bp.blogspot.com/-kCW3AKPDCug/U9zB3t9LDxI/AAAAAAAAjpI/7Rw0kOU72Fo/s400/shijin_taishin1.png)
ただし壁や天井の下地に打ち込まないと、壁ごと崩れる恐れがあります。
固定するためには、きちんと下地の木材等を探す必要があります。
壁に押し当てると針が飛び出て硬い場所を探す商品なら100均でも手に入りますが、下地の「真ん中」を当てるのがちょっと難しいです。
電気の配線にぶつかるのも心配なので、センサーを使った方が無難です。
② 粘着型耐震L字ストッパー
L字金具が使えない場所で、粘着テープで取り付けるストッパーです。(ねじ止めもOK)
取り付けが簡単、脱着も可能。ベルト式で長さ調整が出来るので、ちょっと壁に隙間があるような家具、たとえば冷蔵庫などに使えます。
③ 突っ張り棒
脱着がとても簡単です。天井と家具を突っ張り棒の圧力で固定します。
でも取り付け位置や取り付け方を間違えると、全く効果がありません。
![家具の転倒防止用品のイラスト「つっぱり棒」](https://2.bp.blogspot.com/-s5u4KrS38sU/U9zB32-WloI/AAAAAAAAjpU/BPAuN6AU_Fg/s400/shijin_taishin2.png)
家具と天井の間が広いと、突っ張り棒がぐらぐらになり崩れます。
家具と天井の間が狭い方が、安定性が増して有効に機能するでしょう。
ですから、どこにでも使えるというわけではありません。
④そのほかの安全対策
ガラスの飛散に気を付けたいので、フィルムを貼るのが最も効果的です。
でも全ての窓に貼るのは費用が掛かりますし、何よりサイズに合わせてカットして貼るのはとても難しい!
最低でも、寝室やリビングのカーテンを閉める習慣を付けておくといいですね。
これだけでガラスの飛散は軽減できます。
食器棚などのガラス窓くらいは、ホームセンターなどで売っているフィルムを貼ると安心です。
それから食器などが飛び出すのを防ぐ耐震ラッチ。これも100均で売っています。
我が家も付けていたのですが・・・・
平常時の開け閉めがめんどくさすぎる!すぐ取り外してしまいました。
と思ったら、揺れがあったときだけ自動でストッパーが作動する商品があります。すごい。
2.避難所とハザードマップを確認しよう
防災散歩を知っていますか?
各自治体で、盛んにアピールしてますね。ラジオCMも聞いたことあります。
平常時に避難所までのルートや危険個所を確認しながら散歩するというものです。
災害時は真っ暗かもしれません。
家が倒れていたり、塀が倒れていて、いつもの道が通れないかもしれません。
避難所までの道、時に迂回ルートを確認しながら散歩します。
危険が起こりそうな場所を想像したり、子どもにクイズ形式で考えさせるのもいいですね。
散歩そのものを楽しみましょう。
そしてハザードマップも見て、浸水が起きそうな場所、もし家族がバラバラのときの集合場所など確認します。
一度だけでもいいからやってみましょう!
![避難所を確認する家族のイラスト](https://1.bp.blogspot.com/-_Mo8nPV2Bos/WydaErc262I/AAAAAAABMxw/P-oxub4mbPkOr-hC5EZgY81BcxmaF1OTwCLcBGAs/s400/saigai_maq_hinanjo.png)
避難所にたどり着く・・・前に、非常用持ち出し袋にたどり着く!
室内の安全確保が出来て、避難所までのルートも確認しました。
ここでようやく非常用持ち出し袋が登場するのですが・・・
非常用持ち出し袋はどこに置きますか?
多くの方は玄関に置くのではないでしょうか。
室内が停電しているかも
就寝中に大きな地震が起きて、停電したら。
枕元に置いていたはずのスマホが揺れで吹っ飛ばされて、暗闇で見つからなかったら。
![住民さん](https://mankanfront.jp/wp-content/uploads/2021/01/ojiisan_shock-150x150.png)
非常用持ち出し袋まで、たどり着けない!
そうならないための備えが必要です。
「ライト・スリッパ・軍手(・眼鏡など)」を入れた巾着袋を用意して、ベッドの足などに「固定」しておきます。中身は100均の道具で十分です。
非常用持ち出し袋にたどり着くためのつなぎです。
![](https://mankanfront.jp/wp-content/uploads/2021/01/me2-150x150.jpg)
室内が真っ暗になった状況を想定した備えが必要です。
家財やガラスが散らばってるかもしれず、暗闇の移動は危険です!
私自身は、コンセントに常時つないでおくバッテリー式の照明を使っています。
停電になると自動的に内蔵バッテリーに切り替わって点灯するので、足元灯や懐中電灯として使えます。
普段も、夜中のトイレで起きたときに足元灯の役割を果たするので、無駄がありません。
防災用品にありがちな「買ったけれど眠ったまま」にならないのが良い所です。
3.避難所にもっていくもの
避難所までたどり着ければ、最低限の生活は確保できます。
でも個別の事情に応じた対応は望めませんし、望んでもいけません。みんな必死ですから・・・
非常用持ち出し袋に入れない必需品、例えば薬(お薬手帳)、眼鏡・コンタクトレンズ、携帯電話、モバイルバッテリーなど、生活に支障が出る恐れがあるものは一緒にもっていかなければなりません。
基本的に取りに帰れませんからね。
![](https://mankanfront.jp/wp-content/uploads/2021/01/me2-scaled.jpg)
今回は、「個人の備え・防災対策」を中心にご紹介しました。
万全の備えをしている管理組合もありますが、それが機能しなかったとき、最後に身を守るのは自分しかないと思ったので、こんな内容になりました。
※今回の記事作成にあたり、YoutubeのそなえるTVさんを大いに参考にさせていただきました
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