理事会は話し好きな方が居て、つい本題から外れてしまうのはありがちなことです。
一部の2~3人だけでコソコソ話しているのも、会議としてはダメですね。
前回、議長を差し置いて仕切ることが気が引けるなら「隠れファシリテーター」として仕切ることが出来ることを書きました。
隠れファシリテーターとして重要なことは「生意気なヤツだ」と思われないことです。そのためには謙虚に、笑顔が大事です。
1番最初に実行したいのが、議題の最後の「決まったこと確認」です。
2番目が、会議の冒頭の「終了条件の確認」です。
そこまで出来て参加者との信頼関係も築けたなら、次の段階に進めたいところです。
議題について話し合う流れ
議論をスムーズに行う上で、次の流れを意識して話を整理します。
①事象・・・何が起きているのか
②問題・・・何が困るのか
③原因・・・なぜ起きたのか
④施策・・・どんな解決策があるのか
⑤効果・・・どの施策の効果が高いのか
普段はこんな分類を意識せず、自然に議論は出来ているかもしれません。
でも、話が脱線したり、今何の話をしているのか見失うことありませんか?
そういうとき、どの段階まで話が進んでいているのか振り返ると、本題に戻りやすくなるでしょう。
具体例:議題 「一般会計の収支の赤字対策」について
例えばこの議題について話し合ったとき、①~⑤の段階でどう分類出来るか考えてみました。
①事 象
- 一般会計の収支赤字が恒常的に続くことが予想される
②問 題
- 繰越金が底を尽きると経費を支払えず、管理組合の運営が成り立たない
- 必要な修理、備品の購入などが出来なくなりマンションの資産価値低下につながる
③原 因
- 高齢化が進んで駐車場契約の解約が増え、駐車場使用料金が減少している
- 消費税10%、保険料値上げ、人件費上昇など固定費の支出が増加した
- 経年劣化により建物設備の修繕箇所が増えている
④施 策
- 管理費を値上げする
- 空き駐車場を外部に貸し出して収益事業を始める
- エレベーター保守契約、損害保険、管理委託契約など仕様を変更して固定費を削減する
実現するかどうか別にして、色んなアイデアを自由に出し尽くしてもらいます。
⑤効 果
- ④施策のうち、どれが最も効果が高いか
- 優先順位を付けられるか
- 小さい効果を積み重ねるか、効果の高いものに絞るか
表情を観察して「何か考えている、言いたそう」と感じた人に話を振ってみると、発言してくれることもあります。
発言内容の語尾が曖昧な場合は「何か気になることがありますか?」と発言の続きを促すようフォローを入れて、意図を確認します。
会議の進行~準備とスクライブ
事前準備の資料作成が9割
ぶっつけ本番で臨む会議は、かえって時間を無駄にする可能性があります。
会議の質の多くは準備資料で決まると思っていますので、資料を見れば判断材料が揃っているのが理想的です。
次回までに調べておいてもらえますか?
次の理事会まで結論が出せないままか。
宿題も増えたし、事前に予測できることは用意しておけば良かった…。
今までに事前準備を怠った理事会では、幾度となくこういうやり取りを繰り返しました…結果的に自分の仕事を増やす結果に。
ちょっと資料にひと手間加えて写真を入れるなど分かりやすくしたり、質問を予測してデータを用意しておけば、その場で結論を出せたこともたくさんあります。
具体的なイメージを持てないと、参加者によって結論に対する認識にズレが生じることもあります。
「スクライブ」で論点の擦り合わせ
会議での「スクライブ」というのは、発言をホワイトボードに書き殴っていくことです。
議題、時間配分、意見、決まったことを、全員が見えるようにホワイトボードに書くことで、どういう意見で何が決まったか(決まっていないか)を把握出来るようになります。
最後に写真を撮っておけば、議事録のメモにすることも出来ます。
と言っても、いきなり皆の前に立ってスクライブを始めるのはハードルが高いかもしれません。そもそもホワイトボードが無いマンションだってたくさんあります。
そんな時は手元のノートや模造紙等でも構わないので、論点や結論を整理することを意識しながらメモし、議論が脱線したときの軌道修正や、最後の決定事項確認に使えればいいと思います。
ただ発言順に記録していくより、ずっと効果的です。
議長や(隠れ)ファシリテーターの役割、事前準備も大事ですが、参加者が意見を出して活性化させてこその理事会です!
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