シニア向け分譲マンションを見学してきた

シニアマンション

高齢者向けの集合住宅には、実に多くの種類があります。

その中でも、普段はなかなか内部を見られないシニア向け分譲マンションを実際に見る機会があったので、普通のマンションとの違い、サービス、専有部分の内部などご紹介します。

高齢者向け集合住宅はいろいろ

実に多くの種類に分けることが出来るので、とても網羅することは出来ません…
たとえば5種類でも様々な違いがあり、中でもシニア向け分譲マンションは権利が「所有権」であることや「入居時の費用が高額」などの特徴があります。

種 類権利入居時の費用毎月の費用の目安
①特別養護老人ホーム施設の利用権なし5万~15万円
②介護付き有料老人ホーム施設の利用権0~数百万円15万~30万円
③住宅型有料老人ホーム施設の利用権0~数百万円15万~30万円
④サービス付き高齢者向け住宅(通称:サ高住)賃貸借0~数十万円10万~30万円
⑤シニア向け分譲マンション所有権数千万円~10万~30万円

毎月の費用も、どこまで含めるか(食費・水光熱費・家賃・管理費とか)によって幅が広いですし、サイトによって目安額はバラバラです。つまり「一概に言えない」という方が正しいと思います。

また同じ種類の建物でも、地域・施設・入居者の状態等によって、受けられるサービスや、そもそも入居の可否も変わってきます。
とても細部まで説明しきれないので(私も把握しきれていません)詳しく知りたい方は、色んなサイトを巡って情報を集めることをおススメします。

「シニア向け分譲マンション」と普通の分譲マンションのちがい

シニア向け分譲マンションの存在は知っていましたが、実際に建物の中を見たり、運営の説明を聞いたのは初めての経験です。

基本的な仕組みは普通の分譲マンションと何ら変わりません!

管理組合も管理規約も理事会も存在するし、総会も開かれているし、管理費・修繕積立金も支払っています。

大きく違うのは、共用施設・管理サービスはもちろん、専有部も含む建物の造りが高齢者向けに特化しているという点です。

今回見学したのは、歴史ある街で閑静な住宅街にありながらも利便性が高い好立地・築10年・約150戸のシニア向け分譲マンションです。

では、実際に見学した事例をご紹介してます!

部屋の広さと間取り

ほとんどが40㎡台~60㎡台で、1DK~2LDKの間取りが中心です。
70㎡を超える部屋は約14%、一番広い80㎡台はわずか1戸。
ファミリーで住むにはちょっと不便です。
単身や2人住まいを想定した造りなのも、シニア向けマンションの特徴ですね。

管理組合と役員

先ほど述べたとおり、管理組合・理事会・総会の運営など、普通の分譲マンションと全く同じです。
役員も、住民の中から順番制で選出しているそうです。

高齢だから役員を断る、という理由は通用しないんだろうなあ…

一戸建てから初めてマンションに移る人も多いようなので、「管理組合」という概念に戸惑うだろうし、役員の順番が回ってきたら何をしていいか分からず困るでしょう。

でもそこは、大手の管理会社に全面的に委託しているので心配ないはず!

毎月の支払い

管理費と修繕積立金、その他には警備料・水道料金など。
駐車場や駐輪場を契約していれば、もちろんその分が加算されます。
この辺りも普通のマンションと同じですね。

修繕積立金は築10年で180円/㎡。安くはありませんが、高すぎるとも言えません。

これに対して、管理費がめちゃくちゃ高額です。
1㎡あたり1,000円の設定です。
管理費の全国平均は217円/㎡らしいので、実に4.6倍!

50㎡の2LDKは管理費だけで5万円、積立金など加えると合計6万円を超えます。
一番広い部屋なら10万円。

ただし、これは「高額」なだけで「高い」とは言い切れません。

普通のマンションにはない色んなサービスが提供されているので、管理費が高額になるのは理由があります。
レストランの運営、管理員・清掃員・コンシェルジュ、健康相談室、送迎バス、大浴場、24時間ゴミ出し等々…

これらのサービスが提供されることを前提に入居しているので、管理費を高いと思う人は入居できないという線引きがハッキリしていると感じます。

もちろんこの先、「このサービスはいらない」という意見が住民の大勢を占めるようになれば、変えていくことも自由なわけです。

その他にかかる費用は?

毎月かかる費用以外に、受益者負担・実費があります。

マンション~最寄り駅~スーパー を巡回する専用バスの利用料、1回100円。
レストランで提供される食事、昼・夜でそれぞれ1食500~600円くらい。
カラオケ・シアタールーム、1時間100円。
タクシーの配車手数料、1回200円。

タクシーはスマホアプリを使えば無料で呼べますが、それ以外は格安だと思います。

他にもマンション内のゲストルーム(宿泊施設)は、布団レンタル付きで1名あたり1泊2,500円。
連休は抽選になるほど人気だそうです。

※イメージです

充実の共用施設

24時間365日ゴミ出し

全てのフロアにゴミ置き場があり、曜日に関わらずいつでも出せます。
しかも自治体指定の有料ゴミ袋を使わなくても、業者がすべて持っていってくれます。

入居者にとって便利なのは言わずもがな、高齢者のゴミ出し間違いは悩みのタネなので、管理する側にとっても嬉しいと思います!

ゴミ出し専用スペース

スペースが小さめだと感じますが、基本的に1~2人世帯が中心なので、ゴミの量も少ないのでしょう。とても清潔に保たれていました。

健康相談室

保健士さんが平日の朝から夕方まで、常駐しています。

介護をするわけではありませんが、血圧の測定や健康上の相談ができるようです。

体を壊してから慌てるのではなく、日ごろから自分の健康状態を把握している人を身近に作っておくことは、安心材料になりますね。

それに医療制度は非常に複雑ですから、気軽に相談できる窓口があると便利だと思います。

血圧を計る看護師さんのイラスト
戸建てには無い付加価値

レストラン

予約制で1食500~600円くらい、広い食堂で食事ができます。

広々、清潔

栄養バランスが考えられているのはもちろん、季節を取り入れたメニューが日替わりで提供されます。
一人暮らしでも食事の心配は全くありませんね。

室内に持って帰って食事することも出来るし、来客も食事をとることも出来るそうです(コロナ禍ではダメでした)。

大浴場・マッサージチェア

4~5人の洗い場、銭湯ほど大きくないものの、自宅では味わえない解放感。
ロッカーの数を数えたら10個程あったので、それくらいの人数は入浴できるのでしょう。

毎日大浴場

感心したのは、入り口が電子施錠になっていて、お部屋のカギをかざして入室します。
すると管理室に「●●●号室が入浴した」という情報が入るそうです。

退出の際もカギをかざすので、一定時間が経過しても退出しないと「異常あり」と判断して駆けつけるそうです。
安否確認もばっちりですね。

専有部のカギで入室(非接触)

風呂上りには、電動マッサージチェアを無料で利用できます。
テレビを見ながら、自販機の飲み物でくつろいでマッサージ。最高ですね。

自分で揃えるにはちょっと高額

共用廊下のエアコン

廊下の天井には空調が完備されていて、室内と共用部の温度差が小さくなるように配慮されています。

屋外に出てしまえば意味が無いでしょうが、このマンションではレストランや大浴場など、館内を移動する機会が多いです。
ヒートショック対策になりますし、部屋着で移動しても大丈夫ですね。

エアコンの台数が多い

カラオケ・シアタールーム

通信カラオケで最新の楽曲が利用できるし、大画面で映画を楽しめます。
個人的に利用することも、カラオケサークルや映画鑑賞会など交流にも活用されています。
最近のマンションでは珍しくない施設になりましたが、後付けするのは難しいですね。

ホームシアターのイラスト
映画も大画面で!

専有部はバリアフリー仕様

玄関ドア

玄関ドアが引き戸です。

開口が大きくて段差が無いので、車椅子でも楽に出入りできます。

鍵穴も低い位置にあるし、防犯用覗き穴が上下2箇所に付いていて、車椅子に配慮した構造ですね。

引き戸は珍しい

選べるコンロ

標準でガスコンロが設置されていますが、IH用のブレーカーも用意されているので、あとで自由に変更することが出来ます。

IHヒーター用 200V

手すり・緊急コールボタン

トイレには、手すり・緊急ボタンがあります。
中も随分広くて余裕がありますね。

車椅子でも楽々利用

浴室は意外に狭い、というか普通のユニットバスでした。
もっとも、大浴場があるから広くする必要を感じません。

もちろん浴室にも

あと、撮り損ねましたが、寝室にも緊急コールボタンがありました。

信号は警備会社に繋がっていて、室内まで駆けつけてくれるそうです。
専有部のカギを管理事務所に預けているというのは特徴的ですね。

分譲マンションだからこそ

あくまで普通のマンションと同じ「所有権」ですから、売るのも貸すのも自由です。
もちろん、リフォームも出来ます。

見学したのは1件だけですが、資産価値が高い(売ったり貸したりしやすい)と感じました。

自分自身の健康面と財政面

シニア向け分譲マンションは、基本的に「自立して生活できること」つまり健康であることが前提のサービスです。
要介護や認知症になると、入居を断られないまでも、共用施設の利用を制限されたり、一部のサービスが受けられない場合もあるようです。

また、全ての施設とサービスは管理費等を財源に運営しているので、入居者は相応の対価を支払わなければなりません。
だからこそ相場の4倍以上の管理費で、それも戸数が多いから成り立っています。

それでも将来は管理費の値上げ、サービスの縮小・廃止もあり得る話です。
期待していたサービスではなくなるかもしれませんし、資金計画も変わってくるかもしれません。

自分自身の健康・財政もいつ変化するか分からないので、変化に備えなければならないと思いました。

最後に

見学していると住民の方が声をかけてくださったのですが、とても生き生きしていました。

住民さん
住民さん

このマンションはいい人ばっかりで、とっても暮らしやすいよ!
おススメだよ!

シニア向け分譲マンションということで、同じような世代・同じような境遇の人が集まっています。

戸数も多いので「多人数に埋没して干渉されない生活」を選ぶことも出来ると思いますが、すごく沢山のサークル活動が行われているし、新しい仲間や友だちを作ることも出来そうです。

いっそ全く知らない土地に移住して、シニア向け分譲マンションに入居するのが最適な老後ではないでしょうか??

施設やサービスも充実していて、将来住んでみたい!と思えるマンションでした。

かなりお金がかかるので、あとは財力の問題だけだな‥‥

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