ドラマは殆ど視ない自分ですが、小学生の娘がドはまりしているのが「恋です!ヤンキー君と白杖ガール」です。(日本テレビ系・水曜22時から放送)
放送時間が夜遅いので録画して、2度も3度も繰り返して観るほどハマっています。
ラブコメですから気軽に流し見もOKなので、私も何となくストーリーが頭に入ってきました。
主人公の女の子・ユキコを演じるのは杉咲花さん。
全盲ではなく「弱視」という設定です。
「光と色がぼんやり見える程度」なので、数センチまで近づけば、大きな文字や人の顔は識別できます。
顔を確かめるために相手役のヤンキー君(杉野遥亮さん)に超接近し、それがキッカケで恋が始まる、というストーリーなわけですが…
ユキコはマンションに住んでいて、一人で白杖を持って外出もするし、飲食店で仕事もします。
そんなドラマを観ていて、ふと、マンションにも視覚障害者のための設備や仕組みがあるよなあ、と考えてみました。
これって職業病?
視覚障害者のための共用設備
それが視覚障害者、もっと広くいえば視力が弱い人たちにとって重要な設備です。
「見えている人には、見えていない設備」と言えるのではないでしょうか?
玄関から玄関までの動線
エレベーターや自動ドアや階段の手前などに点字ブロック。
玄関マットは、点字ブロックに被らないように配置します。
「廊下の手すり」も、足が悪い人を支えるためだけではありません。
手すりを頼りにすれば、見えなくても歩くことが出来ます。
エレベーター
「5階です」
「扉が開きます」
「扉が閉まります」(赤いランプピカピカー)
言わなくても分かってるよ!
逐一流れる音声案内も、視覚障害者にとって大切な情報だと思えば納得じゃないですか?
目を閉じてエレベーターに乗ることを想像すると、音声の案内はとても助かるものだと分かります。
また、ボタンの数字は凹凸で形が分かるし、点字もあった方が識別しやすいです。
新型コロナ対策で抗菌シートを貼っていて、凹凸や点字を識別できなくなっているマンションもありました。
また、引越し業者やリフォーム業者が養生シートを全面に貼るのもしょっ中です。
もちろん、どちらも決して悪意はありません。
タッチパネルや非接触が珍しくない世の中ですが、視覚障害者にとって「触感」は重要ですね。
非常階段
非常階段は、火災や停電で真っ暗な状況下で使用することがあり得ます。
つまり視覚障害者に限らず、誰もが視界を制限されても使えるようでなくてはならない、といえます。
避難することを考えると手すりを伝えば出口まで辿り着けるように手すりが設置されているべきです。
更に欲を言えば、階段の滑り止め(ノンスリップゴム)も、安全面を優先して目立つ色が望ましいです。蓄光タイプもありますね。
デザイン的に同系色の方が恰好いいですが、薄暗い中では踏み外す危険があります。
ゴミ捨て場
毎日使う共用設備といえば、ゴミ捨て場。
鍵付きに改造する場合で、暗証番号式の錠前を取り付けるのもよくあることですが、「文字の大きい錠前」って全然見つからないのが悩みのタネです。
もっとも有名な製品のひとつ「キーレックス」ですら、デザインはスマートですけど数字の視認性はイマイチだしボタンは小さいしで、高齢者から慣れるまで分かりづらいと不評です。
視覚弱者にも扱いやすい製品の開発を期待したいです。
掲示板
先日シニア向け分譲マンションを見学したところ、掲示板にもエレベーター内にも、文書が沢山貼られていました。
重要な内容のお知らせもあるのに、文字量が多すぎるのが気になりました。
明朝体、文字が小さい、定型の季節のあいさつや前置きが長い、ということで紙面が文字でびっしり埋まっています。
大切な内容に辿り着くまでに読み疲れてしまいます。
これでは視覚弱者に限らず、内容が伝わりません。
全戸配布して読んでもらうならいいですけど、掲示するなら、伝えたいことは太字・ゴシック・大きく。何ならタイトルだけで伝わればベストです。
管理規約
ペット禁止のマンションでも、補助犬(盲導犬・聴導犬・介助犬)は飼育禁止対象外、とするのが常識です。
飲食店でも補助犬の入店は認めているし、補助犬は障害者にとって目や耳や手足ですから、当たり前といえば当たり前。
たまに「盲導犬は飼育禁止の対象から除く」と表現している細則もあるので、何かのついでに「補助犬」に表現を改めるとなお良いですね。(「盲導犬」としか書いていないから聴導犬や介助犬は禁止、という話にはなりませんが)
年齢と共に、自分自身も視力が弱くなる可能性はあります。
視覚障害者にも程度や種類は様々で、想像を働かせてわが身や家族のことに置き替えたいです。
そういう意味で、こういうドラマも新たな気づきになります。
コメント