複数名現場の悩み解決法【13選】

マンション管理は、人と接することが多い仕事です。

対お客さん・入居者はもちろん、大規模なマンションでは管理員や清掃員が複数名体制で勤務します。

つくづく感じるのは2人以上いると好き嫌い、3人以上で派閥が生まれるということです。

仲が悪いと、顔も見たくない、相手のあら探しを始める。
仲が良すぎても、お喋りして手が止まる。馴れ合いで手を抜いて向上心が無くなる。

こんな現場を見たのは1つや2つではありません。
フロント経験者なら「あるある」じゃないでしょうか?

そんなわけで、複数名が勤務している現場から「人間関係」の相談を受けることが後を絶ちません。
それなりにいい歳の人たちですから、人格は今さら変わりません。
まして、感情論に走ってしまうと、とても仲裁なんて出来ません。

赤の他人の性格を変えようとするなんて、おこがましいんだ!無理なんだ!

こう思えば、違う解決方法に目が移るのではないでしょうか。
人を変えようと考えるのではなく自分が変わらなくては解決しない。性格は変わらなくても行動は変えられる。というお話しです。

①アサーティブコミュニケーション

耳慣れない言葉です。アサーティブ。
「自分の意見を明確にすること」だそうです。

そこから転じて、自分の意見を言うなら相手の意見も尊重する、つまりお互いの意見を尊重することに繋がります。

× 真っ向からのダメ出し
〇 良い所は良い、と認めて、建設的な意見や方策に切り替えていく。

②失礼なこと、立ち入ったことを言われたら

真っ向から意見を否定して、自己主張する人が好かれるはずないのです

一般論にすり替えて、ボヤかす。
話題を相手に振って、中心を自分から相手にすり替える。

さりげなく、相手を傷つけず、自然に話題を変えることが出来ればベストですね。

理事長
理事長

結婚してるのかい?もういい歳なんでしょ?
今度の総会には適齢期の娘を連れてくるよう、みんなに呼びかけよう!

いやあ。最近は未婚の人も多いですし、晩婚率も高くなりましたよねえ。

そういう理事長はいくつで結婚されたんですか?

注:実話です

③マスクを着けても伝わる「笑顔」

マスクで隠していても、目の動きだけでも表情は伝わります。
鏡の前で色んな表情(笑顔、怒り、困りなど)をチェックしてみると良く分かります。

ナルシストのイラスト

自己紹介や挨拶するとき、一瞬だけマスクを外してチラッと顔を見せる、というのもテクニックです。

④苦手意識は自然と伝わる

自分が苦手意識を持っている相手には、相手もそれを敏感に察して、お互いに苦手意識を持つようになります。

好意を持っている人には好意を持って接するわけですから、苦手だと思うならまず笑顔のあいさつから。最初は形から入ったことでも、続けることで苦手意識が和らぐかもしれません。

それでも苦手だ!と思うなら、苦手が伝わらないように距離を置くのが一番ですね。

⑤自分のネタより相手の話

とりとめのない話、自分のプライベートな話ばかりすると、嫌われます。
みんな自分のことを話したいんだから、人の話なんか聞いてません。(偏見?)

それは言い過ぎですが、自分の話をしたい人が多いのは間違いないと思うんです。
相手:8 対 自分:2くらいの割合で、相手の話を聞く。
聞き役に回った方が、相手は気持ちよく会話してくれます。

こういうときも①真っ向から否定しない、のは言うまでもありません。

⑥相手の話を遮らない

自己主張が強い人、言いたくて言いたくてしょうがない…そんな勢いを感じるのは分かります。

でも話終わらない内に、被せてくる喋り方をされると、イラっとしますよね。

その問題については事例がありまして、Aマンションでは…

理事長
理事長

ああ、それそれ!分かるよ。

昔、若いころの仕事で経験していてね、実は~~~~~
そういえば****に住んでいてね~~~~~

もちろん、相手がお客さんなら、お客さんの話を優先させて自分が黙ります。
でもこれを逆の立場でやっちゃう人が居て、冷や冷やするんです。

どんな表情かな?
疲れているのかな?(愚痴をこぼしたいのかな?)
嬉しそうな表情かな?(人に話したくてしょうがない、という感じかな?)

虫眼鏡を持ったお爺さんのイラスト
観察眼も重要!

⑦一刀両断

否定的な(ネガティブな)発言で、相手の言葉を打ち消さない・真っ向から否定しないこと。
ついつい口癖のように、否定的な言葉から会話を始めているのがクセになっていないか、気を付けましょう。

管理員
管理員

いや、~~~~~~~~~~~
でもそれって~~~~~~~~

結局つまり~~~~~~~~~

そんなこと言っても~~~~~

万事、この調子だと話すのが嫌になりますよね

知らず知らずぶった切ってます

⑧ポジティブの押し付け

ポジティブというと「いい言葉」というニュアンスで使われることが多いですが、何でもポジティブがいいというものではありません。

時には暑苦しく、プレッシャーを与え、自己アピールが強すぎて、相手の気持ちを置き去りに。

あ、それはダメでしょ!もっと~~しなきゃ!

そんなことも知らないんじゃダメですよね~勉強しましょ!

ここまで言えばポジティブというか、ただの嫌味ですが…言い換えれば

そういう考えもありますね。面白い視点ですね。

〇〇さんにも分からないことってあるんですね。

やはり⑥のように相手の表情を観察して言葉を選ぶべきですね。

⑨うわさ話

うわさ話は、芸能話だけにしておいた方が無難です。

共感や同意を匂わす返答をするだけで、勝手にうわさ話のメンバーに入れられているかも??

へえ、そうなんですね。なるほどー。

こんなあいまいな返事をしただけで「あの人も同意していた」と、尾ひれを付けて広まる可能性があります。

口を閉ざす。中座する。別の話に切り替える。

その場から逃げるのが一番!

⑩不用意な発言

性別、年齢、婚姻状況、性的嗜好、身体的特徴、民族、国籍などなど。
昔と今で、常識も価値観も大きく変わっています。
アップデートしなくてはいけないのです。

決して悪気が無くても「ハラスメント」「差別」と捉えられる可能性があります。

女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる

こんな発言が大問題になったのも、最近のことですよね。

蔑視の意図があったかなかったか、正しい発言か間違った発言かは関係ありません。
問題視されてしまったことが問題です。
一度生まれた誤解を解くのは非常に困難・・・いや、無理かもしれません。

政治家のイラスト「記者会見・国会答弁」2
雄弁は銀、沈黙は金

⑪話をするときの手の動き

腕を組む・・・拒絶を表す。相手から自分を守る防御の表われ。これは割と有名ですね。
ポケットに手を突っ込む・・・論外ですね。

両手はテーブルの上に乗せる(見える状態にする)、相手を正面に向く、視線を合わせる。
慣れるとこんな当たり前のことが出来なくて、損をしています。

態度の悪い受験者のイラスト(就職活動)

⑫避けるべき話題

宗教や政治は、気軽に踏み込んで良い話題ではないし、必ず議論に発展します。
お客さんと、和やかな雰囲気を作るためにする話題ではありません。
SNSに書き込むのだって、止めた方が得策です。

職場に、関係する雑誌・本・新聞・チラシなど持ち込まない。(実話)
話題にせずとも、目に触れるだけで良い印象を与えません。

入居者から話題を振られた場合でも、受け流す。素早く他の話題に切り替える。

野球もできれば・・・避けた方がいいかな。
みんなが地元チームのファンとは限らないのです。

自分の贔屓チームのグッズを持っているのを見つけたら、ガンガン話を振ります!!

⑬相手に合わせて意見や態度を変える

たとえ他愛のない話でも、自分の得になるかどうかで態度を変えるようでは信頼されません。
そういうの、見透かされているもんですよね・・・「あの人は信用できない」と認識されます。

大局的に、中立の立場でいるのがベストですね。

八方美人はNG

最後に

今回参考にした書籍は、日常会話、現場スタッフの教育資料などに使えそうです。
特に「反応しない練習」は何度も読み返したくなるほどおススメです!

「嫌な感情」とは、自分の内心から湧き出ているもの。

特に重要なのは「スルースキル」を身に付けることですね。

ふ~ん、そういう考えもあるんだー、と受け流せれば多くの悩みは解決するので、これから試してみようと思います!

今回参考にした本をご紹介しておきます。人間関係に悩んでいる方にお勧めです!

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