管理費等の督促~管理会社はどこまでやるの?

督促

督促が好きなフロントは居ないのではないでしょうか。

詳細や法的根拠については、いくらでも詳しいサイトもあるし、テキストを読んでもらえばいいと思うので、実務で行ってきたことや個人的な見解を中心にします。

管理会社や担当者によって業務内容に違いはあるので、その点はご留意ください。

管理会社が契約で行う督促

標準管理委託契約書に定められていますが、管理会社ごとに様々なアレンジが加えられます。

<標準管理委託契約書の督促業務仕様>

  1. 毎月、甲の組合員の管理費等の滞納状況を、甲に報告する。
  2. 甲の組合員が管理費等を滞納したときは、支払期限後○月の間、電話若しくは自宅訪問又は督促状の方法により、その支払の督促を行う。
  3. 2の方法により督促しても甲の組合員がなお滞納管理費等を支払わないときは、乙はその業務を終了する。

 ↓ 管理会社が行う督促

  • 督促状(投函、普通郵便)
  • 電話督促
  • 自宅訪問
  • 内容証明郵便による督促状発送

契約に入る督促はこれくらいまで、4~6ヶ月間までがリミットです。

役員
役員

じゃあ、その後は管理会社は何もしてくれなくなるんですか?

管理会社は「回収」の責任まで負っていません。

業務の範囲を線引きする主旨ですが、弁護士に依頼するなど、引き続き回収するための協力は継続しますよ!

督促の実際

面談ってどうなの

定例の理事会で、滞納者の氏名・金額・詳細な状況をつぶさに報告します。

役員
役員

なんで支払わないんだ?

本人と面談して、払えない理由を聞いてもらえませんか?

このように依頼されることがありますが、基本的にこのような方針には反対しています。
なぜなら、督促は事務的に行うものだと思っているからです。

払えない理由を聞いてどうしますか?

滞納者から理由を聞いて「分かりました、理事会に待ってもらうよう伝えますね!」

これでは子供の使いです。

理事会としても「分かった、じゃあ払えるようになるまで待ってあげよう」とは言えない立場です。

支払えない事情があるなら「いつまでに支払いますので待ってほしい」と本人から申し出てくることだし、こちら(債権者側)から事情を聞きに行くことではないと思っています。

場合によって訪問することもありますが、その時も「支払えない理由」は聞きません。

現在の滞納額は〇〇円ですけど、いつまでに、いくら支払えますか?

完済するメドはありますか?

ドライな対応のようですけど、払えない事情を聞いてしまうと、私自身も同情してしまうんです。
そうすると、その後の督促がやりづらくて仕方がないです。

管理会社としては、あくまで管理組合・理事会の味方として動かなければなりません。

気を付けたいこと

残念なことに、滞納者は「ウソ」をついてしまうことがあります。

正確に言えば、本人に悪気はなくても、その場をしのぐため、つい守れない約束をしてしまい、結果的にウソになってしまいます。

経験上、自分の滞納額を把握していない人は要注意です。

例えば、滞納額が「端数」のある金額なのに「毎月30,000円」などピッタリの金額を払う人は特に警戒します。

毎月いくら新たに発生しているのか、請求書を見ていない可能性が高いからです。

約束された方としては、支払われると信じて待った結果、履行されないので時間だけが経ってしまい、ズルズル長引いてしまいます。

管理会社はリアルタイムで入金を確認できるわけじゃないんです。
事務員が管理組合の通帳を銀行に持ち込んで、普通に記帳して確認しているんですよ!

約束の期日に通帳を記帳して、入金が無かった時のガッカリ感…

また電話しなきゃいけないのかー(毎月これの繰り返し)

こうして労力と時間ばかりいたずらに浪費して、滞納が長期化します。

役員
役員

管理会社の督促が手ぬるいんじゃないか!?

なぜか約束を破った滞納者じゃなく、フロントが責められたりして。

記録が重要になる

悪質な常習の滞納者は、言った・言わない、書面を見ていない・受け取っていないなど、自分の都合の良いように管理会社を「悪者」に仕立てる場合すらあります。

会話の内容・日時・督促した内容の記録はエクセルでも何でもいいので、細かく残しておいた方がいいです。

きっと管理費だけじゃなく、他にも債務があるのでしょう。
滞納が無ければ、普段はいい人だったのかもしれません。

実際に、元・理事長で親しくお付き合いしていた方が滞納して、色んな「ウソ」をつかれると、とても悲しい気持ちになりました。

理事会に報告する

支払いの約束を得たら、理事会に督促状況を報告します。

輪番で交代していると経緯が分からない役員もいるので、先ほどの督促記録が役立ちます。

これまでの経緯を踏まえて、今後の対応について個人的な見解も述べます。
これまで約束が履行されてきたのか、それとも何度も破って今の状況に至っているのか。
今後の支払いの約束を信用できそうなのか。

管理会社・管理組合として督促するには「限度」があるので、そのリミットを過ぎているかどうか、法的措置に踏み切る判断と決断を進言するわけです。

このような状況になっているので、弁護士さんに依頼する時期だと思います。

管理会社としての督促のでしたが、次回は弁護士さんに依頼するなど法的措置について書いてみようと思います。
法的措置には色々な手段がありますが、実際に経験して「使える」と思ったことだけまとめてみます。

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