エレベーターにストレッチャー入る?入らない?

救急車

住民の高齢化が進むにつれ、救急搬送される場面が多くなります。

そして、管理員の日報で「〇〇〇号室の誰々さんが救急車で搬送される」という記述が目にとまります。
管理員の勤務時間中だけでも「多いな」と感じるので、マンションによっては、夜間・休日も含めると結構な頻度になるでしょう。

これからマンションを選ぼうとする方や、既に住んでいる方も、もし自分が救急搬送されることになったらどうやって運ばれる?とイメージしてみてほしいです。

エレベーターを利用できますか?

救急車まで自力歩行ができない場合はストレッチャー(担架)が使われますが、エレベーターに乗るでしょうか?

ストレッチャーのサイズ約2m
6人乗り エレベーターのサイズ1m15cm
9人乗り エレベーターのサイズ1m52cm

このとおり、一般的なサイズの乗用エレベーターにはストレッチャーが入りません。

救急隊員におぶってもらい階段を下りることになりますが、高層階は時間もかかりますし、動かすと危険な状態ならなお大変です。

かごの中にストレッチャーが入る「トランク」というスペースがあるかもしれません。

扉を開けるとスペースが

かごの奥に扉(トランク)があるかどうか確認を

6人乗りのエレベーターは基本的にトランクがなく、9人乗りには設置されている可能性があります。
いずれにしても設置義務はないので、確認しなければ分かりません。

扉と鍵穴はあるでしょうか?

もし鍵穴があれば、扉をあけるとストレッチャーが入るスペースがあります。

「保護マット」で隠れているかもしれません。
マグネットで貼っているなら簡単に剥がれるので覗いてみましょう。

接着している場合は管理員さんに聞いてみた方がいいです。

キーは誰が持っているの?

「全国消防長会」から「日本エレベーター協会」に対して要望があり、平成15年(2003年)10月以降は鍵の共通化が図られることになりました。

共通キーとは
日本全国の救急隊員が同じ鍵番号【EMTR422】のキーを持っています。シリンダーにE.M.T.R(Emergency Medical Trunk Room)の刻印があればOKです。

それ以降に建築されたマンションでトランクがあるなら、共通キーが採用されているはずです。
それ以前のマンションでも、シリンダーを交換していれば共通キーです。

ただし共通キーの採用は義務や強制ではないので、まず確認を!

共通キーは、救急隊員および管理組合(通常は管理事務所のキーボックス)が保有しています。

鍵だけなら鍵屋でも作成・複製可能

ほとんどのエレベーターは共通キーに交換済みだと思います。

シリンダーの交換は、エレベーター会社に頼めば4~5万円くらい、鍵専門業者でも(業者によって)交換できる場合もあり2~3万円くらいでしょう。

キーだけ増やしたいなら簡単に合鍵を作れます。

ストレッチャー以外にも

ご遺体(棺桶)を運びたい、引越しで長い物を運びたいという依頼もあります。

このような用途でもトランクを使うことが出来るので、あらかじめ管理組合(管理員)に依頼しておけば対応してもらえるでしょう。

よくある質問

25~30年目ごろにエレベーターのリニューアル工事が行われるので、トランクについて質問されることがあります。

住民さん
住民さん

リニューアル工事に合わせて、トランクを付けられませんか??

エレベーターが走行するための空間は、トランクを想定した設計になっていないので、後付けが出来ないんです。

エレベーターにトランクが無いマンションでは、災害時・停電時に高齢者や足が悪い方を安全に運べるよう、備品として階段用の担架を用意している管理組合もありますよ。

いざという時に困ったり慌てたりガッカリしないように、エレベーターのトランクの有無やカギの利用方法を確認しておきましょう!

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