先日漏水の記事を書いていて、写真付き報告書のことを思い出し、写真撮影のテクニックについて書いてみようと思いました。
カメラの操作、よく分からないんだよね。
オート撮影するだけだから。
露出?ホワイトバランス?何それ?
はい、私も全く分かりません!!
そういう話ではなく、相手に情報を伝えるための「報告書」として写真を撮影するポイントの話です。
カメラの知識は関係ありませんよ。
カメラの技術的な話ではなく「遠景と近景が大事」ということ、ただそれだけです。
これは言い換えれば「写真を見る側の立場になって撮りましょう」ということです。
写真で情報を判断する
住民さんから、状況を伝えるために写真の提供を受けることがあります。
水漏れしたので、写真を撮っておきました!
管理員さんに預けておくので、確認してもらえますか?
分かりました、ありがとうございます!
(現場調査の手間が省けてラッキーだな…)
そして管理事務所で写真を見ると、漏水したで部分あろう、ズームされた写真。
上下左右も位置関係も、何も分からない…
結局、現場調査しなければ状況を把握することが出来ませんでした。
ズームの写真(近景)=詳しい情報ではない
撮影者は現場にいるので全体像を見ています。
その前提で詳しい情報だけを伝えるため、ズームの写真を撮影しがちです。
しかし受け取り手はズームだけの写真では、全体像が分かりません。
だから撮影する場合は、受け取り手の立場になって、写真だけで伝わるように考えなければなりません。
とはいえ、写真の情報にそこまで求めるのは相手が「プロ」の場合です。
さっきのケースは、私が手間を省いて、住民さんに甘えたのが悪いだけです。
遠景+近景+アルファ
報告書のように情報を伝える写真を撮る場合は、遠景と近景を組み合わせます。
遠 景
全体像と位置関係、多くの情報を把握することができる。
伝えたい箇所に〇印や矢印を入れておくと更に分かりやすい。
近 景
伝えたい箇所をズームで撮影。
カメラのズームよりも、出来る範囲で自ら近づいて撮影する方が良い(手振れが小さくなる)。
フラッシュもなるべく使わない方が自然な色のまま伝わりやすい。
(必要な場合はフラッシュをもちろん使う)
+ アルファ
近景は「様々な角度」「様々な距離」で撮影しておく。
違う角度から見ると、後から思わぬ発見に気づくことも。
報告書にはキャプション(見出しや説明文)を加えます。
「この写真にはこういう説明文」とイメージして撮影するのがコツですね。
プロでもあるある
工事業者が撮影した現場写真でも「近景しかない」「遠景しかない」「キャプションが無いため写真の意図が分からない」ということも珍しくありません。
よくあるのは、施工前・施工後で角度や距離が違っていて、前後の比較がしづらいこと。
こんなちょっとしたことで、現場監督の気配りが分かるものだなあと思っています。
「伝わる写真の撮り方」は全てに通じる
<写真撮影のポイントのまとめ>
① 「遠景」で全体像・位置関係を把握する
↓
② 「近景」で詳細を把握する
↓
③ 「様々な角度」「距離」から撮影しておく
※それぞれキャプション(見出しや説明)をイメージして撮影する
この撮影方法のポイントは、写真に限らず「伝える」ということ全てに通じるものです。
会話でも、いきなり話題の核心から細かく延々と語り始めると、聞き手は混乱します。
何を伝えたいの?いつその話は終わるの?…全体像を最初に伝えてから詳細を説明すれば、より分かりやすく伝わると思います。
子どもたちにも、会話の最初に「〇〇のことなんだけどね」と言ってから話すように教えています!
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