複数名で勤務する現場を管理する難しさを感じているこの頃です。
2人いれば「好き・嫌い」、3人いれば「派閥」
どうして、そんなに仲良くできないんでしょうか??
現場の人間関係で悩んでいる管理員、清掃員がなんて多いことでしょう。
間違っていた「人を減らす」という解決策
これまで手っ取り早い解決策は「人数を減らすこと」だと考えていました。
簡単ですよね。いっそ、1人の現場に変えてしまえば、人間関係がそもそも生まれません。
争いや人間関係の悩みは、仕事の出来栄え、働きぶりに影響が出ます。
清掃員の不仲、あるいは管理員と清掃員の不仲は、入居者も敏感に感じ取ります。
なんだか雰囲気が悪いね。
管理員さんと清掃員さん、うまく行ってないんじゃない?
スタッフがたくさんいても、こんな仕事ぶりなら無駄だよね。
勤務時間を減らしたらどうかな?
経費も削減になるし…。
こういう考えに辿り着くことは、容易に想像できますよね。
私たち管理会社も、人員・時間の削減=コスト削減は簡単なので、管理組合に提案しやすいです。
つまり、人間関係が悪いと仕事の質が低下するばかりか、自分たちの仕事を失うことになりかねないリスクなのです。
それにしても、このような人間関係の悪さは、ただの相性の悪さが原因なのでしょうか?
いえ…
人間関係の悪さは「孤独」が原因のことが多いのです
複数名の現場なのに「孤独」??
一人の現場ではないのに「孤独」が人間関係悪化の原因。
ちょっと、矛盾するようですよね。
「現場管理」を担当している仲間と話していて気づかされました。
現場のスタッフは、みんな孤独なんですよー
特に真面目な清掃員ほど、孤独に感じる傾向が強いと言います。
掃除はやって当たり前、ミスがあれば「汚いから、もっときれいにしてよ!」と怒られる。
褒められることは少なく、少しでもミスがあれば、入居者から指摘されたり、本社から責められる。
ただでさえ清掃という仕事は孤独な作業で、黙々とこなす人も多いです。
心も折れるし、努力しているのに認められないと感じれば、孤独に感じるのも自然のことです。
どっちが上でも下でもない
マンションの現場に管理員と清掃員がいても、どちらが上とか下とかの関係ではありません。
そこにあるのは「役割の違い」に過ぎません。
ただ、住民さんや役員さんからの指摘・要望を清掃員に伝えるとき、管理員がその役割を担うことが多いので、まるで「指示命令しているように見える」のです。
だから、余計にその時の伝え方を間違えると、清掃員の心を折ってしまいます。
こう考えると、現場のスタッフが孤独を感じる理由も、よく分かる意外に分かりやすくないですか?
× ここ、汚いからもっとちゃんと掃除してください!
〇 管理組合さんは、こういう場所の美化に力を入れたいそうですよ
表現の仕方ひとつで、受け取り方ひとつで、人は真逆の方向に進んでしまうものです。
人を減らすより、増やすべき!
このような人間関係の問題を解消するためには、人を増やすべきです。
孤独が原因の問題であり、その孤独は往々にして「心の余裕のなさ」が引き起こするからです。
例えば
お金が無い。
時間が無い。
仕事に追われている。
休みが無い。
認めてほしいのに認められない。
こんな余裕のない状況が長く続くと、誰だってイライラしますよね?
普段より攻撃的になってしまうことだってありますよね?
例えば清掃員2人の現場では「子供が急病のためだからと休めば、相手に負担や迷惑をかける」というプレッシャーがあると言います。
「休みたい」と言いたくても、気をつかうしストレスに感じるはず。
私はこんなに頑張っているのに。
あの人ばかり簡単に休む!
しかも仕事が雑!
これが相手に見えないプレッシャーを与え、自分自身の攻撃性につながるのです。
具体的な解決方法を考える
永く安定して働ける環境を、体力も気力もある、早い段階で手に入れる。
これが結果的に長く楽しく働くコツではないでしょうか。
そこで、人員を減らすのではなく、逆に増やすことを考えます。
と言っても単純に人を増やす予算があるはずないので、トータルの労働時間は変えません。
……どういうこと?
たとえば、2名が1日4時間、週6日間勤務しているとします。
つまりこの現場の清掃に必要な時間は、2名×4時間×6日=48時間/週、と計算できます。
週1日の休みで、毎日4時間。体力的にけっこうキツイ現場だと思います。
休んだらもう一人に迷惑かける。
管理会社は代務員のやりくりに苦労するから、良い顔しない。
そこで1名増やして、3名のシフト制に変更します。
トータル48時間/週を3名でシェアする。
1名あたりの労働時間は、24時間/週 → 16時間/週に減ります。
時間に余裕が出来れば、肉体的にも余裕が生まれる。
休みが増えるので、生活の用事を足しやすくなる。
他の2名と調整することで、休みを取りやすくなる。
必然的に「お互い様」「助け合い」があり、自然に人間関係が良くなる下地が生まれる。
もちろん最大のデメリットは収入が減ることです。
社会保険が外れてしまうケースもあるでしょう。
しかし…外せない視点は年齢と共に体力も段々と落ちていく、いつか今のように働けなくなる日が来るということです。
それも、肉体的にも精神的にもキツイ現場で、休みづらいストレスを抱えたまま。
果たしてそれで、長続きする仕事と言えるでしょうか?
まだ体力があるうちなら、支出を見直して家計も最適化して、収入に合わせた生活スタイルに変化することも出来るかもしれません。
永くムリなく続けられる働き方を考えてみる、という選択があっていいんじゃないでしょうか?
管理会社として、管理組合として
管理会社の担当としては、何がスタッフのためになるのか考えて、環境を整えることや提案することが必要です。
朝6時から12時まで清掃してくれ。
スタッフの確保が難しい?体力的にキツイ?
それをなんとか用意するのが管理会社の仕事だろ!
管理組合の要望に合わせてスタッフを用意するのが管理会社の仕事。
それは確かにその通りです。
現場で働くのは「人」ですから、管理組合の方にもぜひ一緒に考えてほしい問題だと願っています!
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