フロントの仕事では文書の作成の比重が非常に高いです。
議案書、議事録、お知らせ、アンケート、お手紙…
色んな人が作った文書を見ても、国語能力が高い = 分かりやすい文書ではない、と感じます。
たとえば「某有名大学法学部卒業」という肩書きがあっても、特有のクセがある(一般の人には分かりにくい、難解、堅苦しい、刺々しく感じてしまう)文書を作ってしまう人もいます。
頭脳明晰で論理的な考え方が身についているはずの人でも「伝え方」を間違えると、読んでもらえない文書になってしまうかもしれないので、難しいですね。
文書は読んでもらってこそ価値があります!
伝えたいことが伝わってこそ意味があります!
少し前に流行って、続編や漫画版も出版された「伝え方が9割」という本があります。
書店に行くと「〇〇が9割」というタイトルの本が多く並んでいますが、「〇〇が9割」が出始めた初期の本だと思います。
それだけインパクトがあるタイトルということですね。
タイトル通り「伝え方」の重要性を分かりやすく解説したもので、とても参考になるので自分の文書作成にも意識して取り入れています。
考え方はとてもシンプルですが、このポイントを意識しているかどうかで大違いです。
更に、この手法は文書作成以外の分野に応用も出来ます。
代表的な3つのステップと7つの手法
STEP① 自分の頭の中をそのまま言葉にしない
STEP② 相手の頭の中を想像する
STEP③ 相手のメリットと自分の要求が一致するお願いをつくる
ざっくりと言えばこの3つのステップですが、もう少し細かくかみ砕いたのが次の手法です。
7つの手法と具体例
例えば「共用部にゴミを放置される」という問題があり、注意文書を作るとします。
真っ先に思いつくのは「ゴミを捨てないで」というフレーズではないでしょうか?
でも「ゴミをその辺に捨ててはいけない」なんて、子どもでも分かることです。
今さら「ゴミを捨てないで」と、そのままストレートに書く意味はあるのでしょうか?
そこで次の7つの手法に当てはめながら考えてみます。
手 法 | 概 要 | フレーズ(例) | |
1) | 相手のメリットを伝える | 伝えたい相手が好きなことに置き換える |
|
2) | 相手の嫌いなこと・デメリットを伝える | 1)の逆、嫌いなことに置き換える |
|
3) | 選択肢を用意する | 比較して自ら選択してもらう |
|
4) | 承認欲求をくすぐる | 他人に認められたい欲を満たす |
|
5) | 限 定 | あなた限定 |
|
6) | チームワーク化 | 面倒くさい、必要ないと思っている人に向けて |
|
7) | 感 謝 | 「ありがとう」は断りにくい |
|
1)~7)すべてを1つの文書に盛り込む必要はありません。特に注意文書では、長文は避けて、1文字でも文字数を減らすべきです。
以前、記事にした「昔の自分が作った文書をセルフ添削してみた」のこちらとこちらで作った文書でも、上記の手法を意識しています。
文書作成以外のことにも応用ができる
事例は「ごみを捨てないで」でしたが、これらの手法は文書を作成するだけではなく、他のことにも応用ができます。
例えば私の場合は、子どもの勉強を促す場合に使います!
手法4)選択肢を用意する
頭ごなしに「勉強しなさい」ではなく、「勉強する科目を自分で選ぶ」ことから始めさせると、いつの間にやら勉強することが前提で考え始めます。
どっちかと言えば…算数の気分かなあ。
露骨だと「恣意的だ」と反発があるので、あくまで自然に誘導しなくてはいけません
手法6)チームワーク化
押し付けられたと感じると不満があるので、机に向かう時間を共にすることで、勉強するのが当たり前の空間を作ることができます。
お知らせ文書を作るだけではなく、日常生活、会話、説得、説明など色んな場面で、かんたんに応用できるテクニックです!
コメント