突然ですが、自分名義の銀行口座がいくつあって、クレジットカードを何枚持っているか、全部把握していますか?答えられますか?
ずっと昔に作って放置したままの銀行口座、キャンペーンやポイント目当てで作って一度も使っていないクレジットカード、結構あるかも…
終活ってわけでもないんですけど、お金の管理はシンプルにしておかなければ、自分に何かあったとき家族が困るだろうな、と考えるようになりました。
出たり入ったりする口座(収納口座)、貯めておく口座(積立金口座)。
マンション管理組合と同じように分かりやすく分けておきたいものです。
なぜこんな話から始めたかというと、高齢者の滞納問題について考える機会があったからです。
滞納者の種類
本題に入る前に、滞納者は3種類に分けることが出来ると思います。
①たまたま残高不足
②常連~たまに支払う
③常連~長期滞納者
「滞納」というとお金が無い人を思い浮かべますが、実際はそうと限りません。
お金はあるけど、面倒くさい。
お金の管理が苦手。
芸能人でもお金はあるのに税金を払わず問題になった人がいましたが、程度の差はあっても、似たような人が身近にいるかも?
上の①~③のどれに分類されるのか、1~2ヶ月くらいの滞納では判断できません。
何ヶ月も様子を見ていて、自然に振り分けられていきます。
個人的に「②常連~たまに支払う」が一番イヤ!!
「たまに支払う」といっても放置もできないので、督促状は出します。
でも督促してもしなくても支払ってくるので、こちらとしては無視されている気分です。
手間はかかるし、やりがいが全くないし、決算書に載るから管理組合に報告しなければいけないし、めちゃくちゃ迷惑!
かと言って、いつ「③常連~長期滞納者」に化けるか分からないから、警戒も解けない。
管理費の引き落としの仕組み
次に、滞納が起きるまでの流れを見てみましょう。
多くのマンションでは、銀行や集金代行会社の引き落としは「月1回」が主流だと思います。
たとえば「毎月28日に管理費が引き落とし」のマンションとします。
この場合、引き落とし日の前日までに、請求金額の満額を、自分自身の口座に入金しなければ、1円も引き落とされません。
請求金額に1円でも足りなければ「1ヶ月分だけ引き落とす」「残高がある分だけ引き落とす」ということは出来ません。(出来る金融機関も実はあるのかな??)
引き落としが出来なかった場合は、管理組合の口座に直接振り込むか、次月でまとめて引き落とすか。
引き落としの勘違い(例)
10月28日 残高不足のため、管理費等40,000円の引き落としが出来なかった
11月1日 滞納が確定 → 40,000円に対する督促状の作成
督促状!
40,000円を自分の口座に入金しよう
これではダメです…!
督促状をよく読めば分かるのですが、勘違いする方が多いです
11月20日 滞納40,000円 + 新規発生20,000円 = 60,000円の請求書 発行
11月28日 引き落とし不能(口座に40,000円しかないから)
以下、繰り返して滞納額が大きくなっていく…
請求書や督促状の内容をよく読めば、ほとんど防げる誤解です。
とにかく管理会社に電話して、問い合わせ・確認してみましょう!
これが一番確実にミスを防げます。
意思の疎通が出来ると、お互いに安心です。
意思疎通が無いため見方のすれ違いが起きる
もし意思の疎通がないまま、滞納して何か月も経ってしまったら…。
滞納者本人の認識と管理会社・管理組合の見方が全然ちがうことになります。
滞納者側の視点
本人の立場から見れば、支払いの意思はある、お金もある、手間がかかっている(自分の口座に入金している)、それなのに引き落とされずに督促してくる。
入金しているのに引き落とさない、管理会社の怠慢じゃないか!!
管理会社と管理組合側の視点
滞納者さん、今月も残高不足で引き落とし出来ませんでした。
督促状を入れてるのに何の連絡もないし、支払いの意思が無いようですね。
どんな人か知らないけど、誠意がないから駐車場は解約しましょう。
金額が膨らむ前に法的措置も考えなきゃね。
1~2ヶ月の滞納(うっかり入金ミス)でそこまで状況が悪化することはまず無いので、早めに手を打てば大丈夫です。
”記録”は残ってしまいますが、”記憶”には残らないし殆ど気にしていません。
しかし3ヶ月・4ヶ月と続くと、どんどん印象も悪くなって「要注意人物」として記憶にインプットされるのは確かです。
意思の疎通が無いばかりに、とんでもないすれ違いで話が大きくなるかもしれません。
高齢者の滞納問題
「年金の収入と諸々の生活費のための口座」と「管理費の引き落とし専用の口座」を、別々の銀行で管理していました。
「管理費の引き落としには管理組合指定の銀行口座が必要」というケースも結構あります。
管理費の引き落としに必要な資金移動をしていたのに、高齢化と共に、お金を管理したり、請求金額を把握することが難しくなる人もいます。
その結果、残高不足で引き落としが出来ず、しかも例のような勘違い・すれ違いが生まれます。
更に集合ポストの中も手紙やチラシでビッシリ詰まるようになり、管理員も異変に気付き始めます。
そこで管理員が本人に声をかけて、ポストを整理して大事な手紙が入っていないか確認するよう促すと、逆に怒鳴り返す始末。
本人では話が出来ないため、家族を通じて話そうとすると「なぜ自分に言わず家族に言うのか」と更に怒ります。
お金もあるし支払う意思もあるのに、滞納してしまった
高齢化が進んでいるマンションで、実際に起きていることです。
督促の方法も柔軟に??
そこで冒頭の話に繋がってくるのですが、お金の管理は早いうちにシンプルにしておくべきだと思うようになりました。
自分でやるのが難しくなってからでは、とても大変です。
口座をひとつにまとめようと思っても、高齢の方には、口座振替の用紙を渡して終わり、といかない場合も多いです。
どれが銀行の印鑑か分からないんですよ~
届出印が分からなくなって、管理室に通帳とハンコを大量に持ち込んでくる方もいました。
管理員の中には、表面的に言わなくても手伝ってあげているケースもあると思います。
ありがとうございます!
めちゃくちゃ助かります!
管理会社の立場では、個人の領域に踏み込み過ぎてはいけないし、個人情報・プライバシーにかかわるので、対応には慎重にならざるを得ません。
時に「そこまでお手伝いは出来ません」とお断りする場面もあります。
私自身も「督促は事務的にするもの」という信条ですし、それは変わりません。
ですが、それだけでは解決できない滞納もある、ということもよく分かっています。
間違いなく言えるのは、管理会社(フロントや管理員)が孤立すると、何もできないし何もしたくない、と一歩引いてしまうことです。
逆に、管理組合や入居者など周囲の協力や情報提供、情報共有が出来るのなら、より早く円満に解決に辿り着けると思います。
線引きや判断が難しく、どこまで踏み込んで対応するべきなのか悩みます
全然関係ないですけど、この記事で98本目になりました!
目標だった100記事まであと2本!!
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