注意文書をつくるのもフロントの日常業務です。
実は、掲示板に貼られた文書を見ると、フロントマンの力量・やる気が分かります。
そんな「フロントマンの力量の物差し」にもなる掲示文書。
無機質な文字の羅列で満足ですか?
何年も前の掲示文書を貼っていませんか?
ちょっとデザインに気をつけるだけで、マンションのグレードがほんのちょっと上がります!
私なりの視点でワンランク上の文書作成ポイントを解説してみます。
「注意文書」はつまらない
掲示板に貼られている文書って、中身はつまらない注意文書が多くないですか?
- ごみの分別ルールを守って、決まった日に出してください。
- 夜中は静かにしましょう。足音に気を付けましょう。
- 車は白線の真ん中に駐車してください。
- 野鳥に餌をあげるのを止めましょう。
平穏な生活のために必要なことです。
でも当たり前すぎて、作る側としては情けなくなります。面白いわけがない。
それに文書を作って、校正して、印刷して、現地に届けて。めんどくさい。
時間と労力を割くのに、生産的じゃないし対して効果も無いから、嫌いな仕事のひとつです。
いっそ楽しみを見つけてみよう!
そこでデザインを工夫してみることにしました。
イラストを入れたり、配色やフォントに気を付けてみたり。文字の羅列からサヨナラです。
つまらないものを面白く。いっそ趣味にしてしまおうという発想です。
たとえ自己満足と言われようとも、少しでも楽しくなればいいんです。
文書は「伝えることが最大の目的」と心得る
文字がびっしりの文書が掲示されても、誰も読みません。
書く側には伝えたい情報がたくさんある。読む側はできるだけ読みたくない。
これはもはや、読み手との戦いです!
配布して、じっくり読めるなら文字数が多くてもいいんですけどね。
掲示板を立ち止まってじっくり読む人はいるのかな?
読んでくれる人は、そもそもマナー違反なんてしないんじゃない?
そう考えて、次の点に気を付けるようにしてみました。
• 伝えたい内容だけ具体的に書いて、できるだけ文字数を減らす
• イラスト・配色・枠線など工夫して目立たせる
• 余白をなるべく大きくとって、ゴチャゴチャさせない
この中でも重要なのは、1文字でも少なくすること。
季節のあいさつも省略。いきなり用件から始めます。
情報が少ない方が読みやすいですが、文字数を減らすには文章をかなり練らないといけません。
パッと見ただけで用件が伝われば、目的は達成です。
上手い人のマネから始める
あるマンションでは、デザイナーの理事長が作った文書が貼られています。
上に書いたような「分かりやすさ」の条件を満たしているので、自分もパクる取り入れてみることにしました。
プロの仕事をマネすることは、上達のための最短ルートです。
デザインを学んでみる
しばらくはデザイナー理事長のマネをして文書を作っていました。
でもしばらくすると、自分のオリジナリティを出したくなります。
マネでは応用が出来ないケースも出てきます。
それに自分の周りを見渡しても、文書にこだわっている人はおらず限界を感じました。
なんで、この色と配置とフォントを選んだのかな?
デザインに決まりごとがあるのかな?
理事長に質問したところデザインにはルールがあると教えてくれました。
でもいまさらデザインの学校に通うわけにもいきません。
そこで書店でタイトルに目を引かれたデザイン本を2冊購入してみました。
そこに書かれていたのは・・・
- やってしまいがちな「ダメな事例」・・・・・・・あるある、こういうダサい文書!
- 表現をワンランクアップさせる「改善事例」・・・なるほど、こう表現すれば良かったのか
自分が作る文書のダメな点を理屈で解説されたようで恥ずかしくなりました。
特に2冊買った中でも「やってはいけないデザイン」は、ダメ事例が自分に当てはまりすぎて笑いました。
あるある、こういうダサい文書・・・・ってそれ自分の失敗と同じやつ!
でも「何となく」だったことが分かりやすく説明されて「なるほど!」に変わりました。
文書を作る機会がある人は、読めば1日でワンランクレベルアップすると思います。
イラストを入れるだけでも効果的
イラストを入れることで注目度が上がり文書のデザインがワンランクアップします。
チラシ、役所の文書、テレビにも使われ、目にしない日はないいらすとやさんに大変お世話になっています。膨大なシチュエーションのイラストが無料で、しかもかわいい。
ともすればトゲのある注意文書にも「和み」の要素を加えてくれます。
気を付けるのは、1つの文書のイラストは多くて2~3点ということです。
それ以上はごちゃごちゃして「うるさく」なってしまいます。
過去の自分の文書をセルフ添削&作り直してみる
管理会社に入社して2か月目くらいに作った「ゴミの注意文書」をセルフ添削してみました。
そして「やってはいけないデザイン」「失敗しないデザイン」「いらすとや」を活用して作り直し、対比してみました!
入社2か月目に作った文書
赤ペン・マーカーはダメなポイントで、昔の自分への「指導」です。
ダメ出しポイント!
- 入居者各位殿 ←「殿」は不要
- 行間が狭すぎて読みづらい
- 明朝体だけで強弱が無い
- 白黒2色で強調なし
- タイトルに謎の網掛け
- 文章が冗長で無駄が多い、文末の表記が不統一
- 改行が変で読みづらい
- 「記」「以上」を使う必要なし
- 1,2の番号を使う意味なし
- 行間がせまいのに大きい余白
同じ内容をデザインに気を付けて作り直し
● 枠線で囲んで全体を引き締まった印象に
● 求めたいことを箇条書きで分かりやすく、文字数を少なくする
● 太めのゴシック系で読みやすくする
● 「白・青・黒・黄」の最低限の配色(これ以上の色を使うとうるさい)
● 余白に余裕を持たせて、詰め込みすぎない
● イラストのかわいさで目を引く
● 「こうなったら嫌でしょう?だからあなたも守ろうよ!」のメッセージ
この文書も、プロの方から見たら鼻で笑われるレベルかもしれません。
直すところもあると思うんです。なんせ本を2冊読んだだけですから。
その改善を追求していくことを、これからの楽しみにしたいと思います!
まとめ
つまらない仕事にもひと工夫を加えれば、楽しみを見つけられるかも。
これはデザインだけじゃなく、すべてに通じる話ですよね。
注目度もアップして、掲示物の効果が発揮されるようになります!
本を読んだだけで身に付くわけじゃありません。
誰かのデザインを参考に、マネすることから始めましょう。
デザインを意識すると、つまらない仕事も楽しもうと思えるようになりましたよ。
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