冬を迎えるとよくある相談の一つ、結露です。
窓ガラス・壁・床のカーペットまで濡れてしまい、放置するとカビが発生・下の階に漏水するなどの実害があり、放置できません。
ちょっと検索すれば様々な結露対策グッズや、結露対策工事が紹介されています。
また、結露発生のメカニズムも詳しく解説されています。
このブログでは専門的なことは他のサイトに任せ、まず費用を掛けず試してほしい対策をご紹介します。
結露の原因は難しいので、簡単に結論を出さない
結露がなぜ起きるのか、原因がわからないことが多いです。
色んな方法を試すうち、時間と手間とお金ばかりかかることはよくあります。
なぜ、色んな対策をしても解決しないのでしょうか?
それは、原因が1つではなく、複数の原因が重なっている場合があるからです。
だから、原因がハッキリしないうちに壁の断熱材を入れ替えたり、断熱ガラスに交換したり、効果がありそうなことに大きな費用をかける前に、ひとつずつ出来ることから対策してみるべきだと思います。
断熱改良工事は万能ではない
「断熱改良工事をすれば、結露がなくなる」と期待している人が意外に多いようです。
代表的な断熱工事は、壁の断熱材やガラスを交換するものです。
窓ガラスをペアガラスに変えたから、部屋が暖かくなったんだ
補助金が出る場合もあるし、「やってみよう」と考えやすいです。
確かにやらないよりやった方がいいです。効果はあります。
そして、断熱を改良したその部分では結露しなくなります。
結露が起きる原因を考えてみましょう
結露は「湿気」と「温度」の組み合わせで発生します。
学生の頃に習った「露点」とか「飽和水蒸気量」などのグラフを見たことありますよね?
そういう難しいことは置いておいて、シンプルに考えましょう。
シンプルに考えれば湿度が高いから結露が発生するわけです。
正確に言えば「温度差」なども影響しますが、ここでは対策のしやすさに注目するため「湿度」に着目します。
断熱を改良しても湿気は変わらない
当たり前のことですが、断熱ガラスに入れ替えても湿気の量は変わりません。
なのに、このことはなぜか見過ごされがちです。
確かに、部屋の中は暖かくなって快適になります。
そして窓ガラスの結露もぐっと減るでしょう。
じゃあ、いつもガラスで結露していた「湿気」はどこに行ったのでしょうか?
かんたんな話、他の場所で結露するだけです。
■湿気は別の場所移動して断熱が弱い部分で結露する
断熱が弱い部分が、もし目に見えない場所なら最悪です。
例えば天井裏の配管、壁紙やカーペットの裏のコンクリートなど、目に見えない冷たい部分で結露し、「カビ」や「漏水」など実害になってから気づきます。
最初にすること=湿気の量を減らすこと
断熱工事で防げないなら、どうすれば結露が無くなるの?
シンプルに考えて、湿気を減らしましょう!
「湿気を取り除く」「湿気を発生させない」ということ。
そのための方法は次のとおり、たったの3つです。
最低でも、今より悪くなることはありません。
① 換気する
② 除湿する
③ 湿気を発生させるものを取り除く
③の「湿気を発生させるもの」は、洗濯物、料理、お風呂、水槽、植物、人の呼吸。
これらは簡単に減らしたり無くすことは出来ませんので、最初は①「換気」と②「除湿」から考えたほうがいいでしょう。
換気のやり方は正しい?
換気扇は回しているのに、結露が減らないんだけど??
換気扇を回すとき「給気口(ガラリ)」は開いているでしょうか?
壁についているこういう穴が給気口(ガラリ)です。
外気(湿度の低い空気)を取り入れるための大事な穴です。
換気扇をいくら回しても、給気口が開いていなければ外気が入って来ないので、効果がありません。
寒いから閉め切ったままだったり、中に詰め物をしていると、換気扇を回しても無駄です。
換気扇を回しても空気が入れ替わりません。
いっそ窓を開けて、思いっきり空気を入れ替えるのもいいです。
目的は外の乾いた空気を取り入れることです。(寒いと言ってる場合じゃありません)
除湿器が最強アイテム!・・・ちょっと費用は掛かる
換気するのは寒いし面倒だし・・・換気せずに済む方法は?
除湿機を使うのが最も効果的です。換気と併用するともっといいです。
私の自宅では寝室で除湿器を毎日使っています。
朝起きてから4時間タイマー運転すると、2~3日でタンクがいっぱいになります。
それくらい人の呼吸から水が出ているということですね。
タンクの水を捨てる手間はかかりますが、除湿の効果が目に見えるのでちょっと嬉しいです。
起きてからタイマー運転するので、音も全く気になりません。
私はパナソニック製の除湿器を使って6年経ちますが、今まで何の不具合もないので、機種選びに迷う方にはおススメします。
電気代が安いとか、重いとか、うるさいとか、室温が上がるとか、色んな違いがあります。
説明すると長くなるので省略しますが、「冬だけ」「1日4時間の運転」では電気代の差はよくわからないレベルで私は気になりません。
置くだけの「除湿剤」は結露対策には不向き
ドラッグストアなどで売っている「置くだけの除湿剤」は、結露対策になりません。
吸い取る「量」と「スピード」が圧倒的に足りないからです。
タンスとかクローゼットとか、換気も除湿器も使えない狭い場所で使うものなので、用途が違います。
自宅で結露で漏水したことがあります
自慢できる話ではなく、私の失敗談です。
自宅の寝室の天井から漏水させたことがあります。
除湿機を使う前は換気も除湿もろくにせず、窓ガラスは結露でべちゃべちゃに濡れていました。
それを毎朝のように拭き取っていて、とても面倒でした。
それがある日、天井にシミが出来て照明のカバーに水が溜まっているのを発見し、防水が切れたのか??とすごく驚きました。
ところがよく調べてみると、天井裏の電気の配管が結露して、その水が出てきていたんです。
部屋の湿度を測ってみると80%を超えていました。
すぐに、除湿機と湿度計を買いました
そこから「ガラスの水滴拭き」に加えて「除湿機4時間タイマー運転」、天気がいい日は「1時間ほど窓を開けて空気の入れ替え」をしたところ、漏水は二度と起きず、ガラスの結露も目に見えて減りました。
湿度を見張りましょう!目標60%!
「湿度計」を全ての部屋に1つずつ置きましょう。これは必須アイテムです。
100円ショップにも売っていますが、1個1,000円もしないので、デジタル式の方が正確で見やすくていいです。
ちなみに某100円ショップで、湿度計が売り場に並んでいる様子です。
左は30%、右は40%を指しています。
同じ売り場なのにこの差は…誤差の範囲??
ちょっと信頼性に疑問がありますね。
最後に
時間とお金があれば他に出来ることは沢山あるでしょうが、とにかく「シンプル」に結露対策するのが今回の主旨です。
ですから目標を大胆に一つに絞って、目標値は「湿度60%」です!
実際に、私も湿度計のこの値しか見ません。
入居者から結露の相談を受けたとしても、最初に「湿度は何%あるか把握していますか?湿度計ありますか?」と尋ねます。
湿度を把握せずに結露対策は出来ない!ということでスタートしましょう。
目標をたった1つに絞った理由
「何となく換気する」「何となく除湿する」「断熱ガラスに交換してみる」
どれくらいの効果があったのか、体感でしか分からないです。
だから、数値で検証するのはめちゃくちゃ大事です。
温度と湿度を測定して「飽和水蒸気量」を計算して・・・と分析するのが正しいのは分かりますが、面倒なことは長続きしません!(鉄則)
目標湿度60%!
ここから始めてみましょう。
断熱が弱いのか?換気能力が足りないのか?など、設備の改良(費用が掛かる)の検討に移ればいいと思います。
コメント
廣田さんのブログで紹介されていたので覗いてみました。
結露には往生していて冬場の今は毎朝30~60分位掃除に掛かっています。今回の記事はとても参考になります。
マンション管理はたたかわないってとても良いタイトルですね。私は管理組合員なので立場は真逆になりますが、管理会社に対する不信感は結構強いものがあります。担当の管理会社以外の社の方とお話する機会があり、管理会社って社によって随分と考え方に違いがあるのがわかってきたような気がします。
このブログで勉強させて頂きますので宜しくお願いします。
コメントありがとうございます!
「廣田さんのブログ」と言われて最初「???」でしたが、あの廣田信子さんに
紹介されたとはびっくりです!
タイトルを褒めていただけると、1文字でも短い言葉に圧縮しようと考えたものなので
思いが伝わった気がしてとても嬉しいです。
自分の発信する内容が正しいのかどうか迷いがあって、手探りで書いていますので、
反応を見ながら修正を続けているところです。
あえて細かな条文やデータを入れていないのも、主張が強くなりすぎないように、
あくまで「自分の経験や考え」を中心に発信したいと思っているからです。
ですから、勉強と言われるのは恐縮してしまいます・・・・・。
でもこのスタンスは崩さないで、長く続けていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。