新しく入居する方は、戸建てからマンション、他県から移住、賃貸から分譲へ。
戸惑うことが多いと思います。
悪気は無くても、うっかりルール違反してしまうこともあるでしょう。
先日の記事では「ゴミステーションの呼称は方言」が発覚してカルチャーショックを受けている方もいましたし…(笑)
もちろん呼称だけではなく、ゴミの出し方は隣りの市でも全然違います。
じゃあ、マンションのルールは、誰が、いつ、説明しているのでしょうか?
その説明がきちんと行われないため「知らなかった」という問題が起きています。
これを防ぐ方法について考えてみました。
① 売買で何が行われているか
売買では一般的に「売り主」「買い主」その間に「仲介業者」が入ります。
仲介業者は「重要事項説明」をして、マンションの概要や、おおまかなルールなど説明します。
仲介業者が自ら入手する情報もありますが、マンションのルールはどこから仕入れるのでしょうか?
当事者同士の直接の売買、贈与。
この場合は管理会社に事前の連絡が無く、成立してから移転を知らされます。
また賃貸者も、入居が決まってから管理会社に連絡が来るのがほとんどです。
重要事項調査報告書作成のための調査シート
売買の前に、仲介業者は管理会社に問い合わせをします。
管理費・積立金、滞納、マンション全体の積立額など、多くの質問があります。
買い主が、購入を判断をするために必要な情報だからです。
さらに「調査シート」というA3サイズ×3~4枚におよぶ質問書を管理会社に求めてくることがあります。
FAXで「〇〇日までに」と送られてきて、フロントが手書きで記入していました。
FAXだから回答はすべて手書き。
A3サイズで3~4枚ですから、大変な手間でした。
(もちろん作成は有償です)
多くの管理会社は、オリジナルの質問書はお断りのようです。
質問書のフォーマットは、どこの仲介業者も似たようなものです。
だから最近は定型で各マンションの回答シートを作って、印刷して発行するようになりました。
もちろん発行する前に、変化している項目の有無、例えば駐車場の空き情報やルール変更など、全体をチェックして更新しています。
自力で調べるのは不可能なので、管理会社や管理組合に問い合わせるわけです。
このように様々な方法で入手した情報を基に、マンションの概要やルールの説明が行われます。
② 規約を読んでも分からないルールがある
規約は新所有者に渡っている「はず」ですが、それを確認する術はありません。
ましてや賃貸で入居する人には、ほとんど渡していないでしょう。
管理組合や管理会社が「規約をもらいましたか?」と確認することもありません。
それ以上に問題なのは、規約に載っていないローカルルールが山ほど存在することです。
むしろローカルルール(裏ルール)の方が、トラブルの原因になっているんじゃないでしょうか。
ローカルルールは誰が説明するの?
入居したあと、管理員さんが説明するのでしょうか?
分からないことがあれば、そのたびに質問して回答するのでしょうか?
役員さんが入居時に面談して説明する、という管理組合もあるそうです。
でも新しい管理員さんは昔のことは分からないし、口頭では絶対に漏れるし、言った・言わないになるし、役員面談だって交代すれば継続が難しいでしょう。
「人」に依存するのではなく、システマティックな方法を考えたいな
③ ルールブックを作ろう!!
そう考えて、いくつかのマンションで「入居のルールブック」を作ろうと試みました。
しかしこれもまた、いちフロントマンが作るのは結構大変です。
役員も巻き込んで作ろうとしましたが、たいへんな作業で、お互い忙しい身で遅々として進まず。
そこで次に、もっと簡単に誰でも出来る方法を試すことにしました。
過去数年分のお知らせ文書を印刷して、渡せばいいんだ!
お知らせ文書には、マンションの歴史とルールが詰まっています。
何代にもわたる歴代のフロント担当者が積み重ねてきた、トラブルシューティング集です。
内容の選別、カテゴリー分け、手直しは必要ですが、基本的に印刷するだけでOK。
カテゴリー(例)
- 管理体制、管理会社連絡先
- 管理組合体制(役員、防火管理)
- 入退去の申請、口座振替
- 引っ越し、大型荷物の搬入搬出
- 電気・ガス・水道などの手続き、連絡先
- ゴミ関係(注意事項、大型ごみ、資源ごみ)
- 駐車場関係(契約・解約手続き、来客用駐車場)
- 自転車駐輪方法、登録、廃棄方法
- リフォームの注意点、手続き
- 騒音問題
- ペット飼育ルール
- ベランダの管理
- 結露対策
- オートロックの開け方、裏口扉の開け方
- テレビの視聴方法(地上波、BS、CS、ケーブルテレビ)
- インターネットの契約
これらの文書を冊子にするだけでも役立つのではないでしょうか。
自分自身、管理員さん、役員さんにも読んでもらいたいですね。
目指すレベルを段階に分けると
- レベル1 管理規約・使用細則をわたす
- レベル2 過去5年分くらいの総会議事録の写しをわたす
- レベル3 過去の周知文書集を作ってわたす
- レベル4 入居者マニュアルを作ってわたす
- 最終レベル レベル1~4を管理組合専用HPにアップして閲覧可能な状態にする
個人的な目標です!
もしかして、大手の管理会社なら、当たり前に出来ていたりしますか?
新しく入居した方へ
議事録の閲覧請求をしてみましょう!(請求の方法は、管理員さん、管理会社に聞けば分かりますよ)
「理事会の議事録」や「議案書」も一緒に時系列に沿って読んでみると、マンションの動きが良くわかりますよ!
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