管理組合で起きる不正の手口

横領

あまり一般の方が読むものではない業界紙にマンション管理新聞というものあります。

管理会社の社員なら、会社で購読して読んでいるのではないでしょうか。

年に2~3件ほど「管理会社社員を横領で逮捕」という記事を目にします。

しかしあまり詳しい手口は書かれていないので「こういうやり方なら横領できるかな?」ということを考えてみました!

あくまで想像、考えるだけということで・・・

横領
実際にはやりません

最初に不正を防止するための結論

毎月、収入と支出の明細、残高をチェックしていれば殆ど防げます

収支報告が提出されますので、出来れば通帳コピーと照らし合わせれば、多少の抑止力になります。

理想は通帳原本を確認することですが、それはお互いに負担が大きすぎます。

あくまで、無関心ではいけないということです。

半期に1度くらいなら、管理会社も通帳原本チェックは対応してくれると思います

そもそも不正をはたらくなら、チェックの甘い管理組合を狙います。

日頃の信頼関係を逆手に取り、任されているのに乗じるのですから、罪深いです。

もっとも、たとえチェックが甘い管理組合だったとしても、遅かれ早かれバレるでしょう。

所詮は素人が立ち場を利用して思いつく不正ですし、逆に言えば狭い権限の中でしか出来ないことですから、浅いです。

手口① 架空の請求書・領収書を作る

実際にやっていない工事、納品していない物品の請求書を発行して、組合から出金させる手口です。

工事費用の場合は被害額が大きくなる恐れがあります。

この手口でハードルが高いのは、支払先の会社と口座を用意しなければならないことです。

業者と結託して請求書を発行してもらうのか(共犯)、自分でペーパーカンパニーを用意するのか、請求書と領収書を偽造して現金で出金するのか。

いずれにしてもかなりリスキーだと思いますが、この手口は不正事件の中で一番多いかもしれません。

金額が大きくて、発覚したときに記事になりやすく目にする機会が多いのでしょう。

理事会が機能しなければならない

共用部分の修繕は、理事会が把握していなければならないことです。

少なくとも事後でも報告は受けるべきだし、知らない工事の請求や支払いがあったら、確認しなければなりません。

確認を怠っていたとしたら、理事会側にも過失があったと組合員から責められるでしょう。
(不正する側は、その理事会からの信頼に付け込むわけですが・・・・)

請求書のイラスト
その請求書、心当たりありますか?

物品の架空購入は、少額かつ日常的に発生するでしょうから、すべてを役員がチェックするのはかなり困難、不可能に近いでしょう。

しかし不正のリスクに対してリターンが小さすぎると思います。

数百円~数千円を得るために、犯罪者になるリスクを負うのは割に合わないです。

普通ならやる価値がないと考えますが、万引き程度に気軽に考え、簡単に手を染めてしまうのかもしれません。

手口② 管理費を現金で集金する

古いマンションでは、管理費を管理事務所(管理員)に持ってくる方がいます。

滞納者から、その場で現金を回収なんてこともあります。

これを管理組合の口座に入れず、自分の懐に入れてしまう、というシンプルな手口です。

請求書や督促状を経理部門で発行していれば、支払った入居者が「おかしい」と気づくので即時にバレます。

でも、もし請求書・督促状を管理員が投函しなかったら?偽造したら?

このようなことを防ぐためにも、請求書または督促状のどちらかは、会社から直送するなど、担当を分散することが必要でしょう。

でもこの手の不正は、比較的短いサイクルで破綻して必ずバレます!

手口③ 現金収入

古紙回収代金、来客用駐車料金、集会室使用料金など、管理員が現金を預かる場合があります。

通常なら、預かった現金は管理員からフロントが受け取り、会社の経理に渡して管理組合の口座に入金する、という流れです。

この一連の流れのどこかで誰かが懐に入れると、気づかない可能性があります。

これも大きな金額になりづらく、不正のリスクとリターンが見合ってないと思いますが、やろうと思えば簡単にできてしまいます。

これは現金の取り扱いを一切廃止して「振込」「口座引き落とし」に限定するルールを作れば防止できるでしょう。

理事長も不正を犯す可能性がある

管理会社だけではなくて、理事長が起こす不正もあります。

一般的に、「銀行届出印は理事長」「通帳は管理会社」と別々に保管しているので、勝手にお金を引き出すことは出来ません。

ですが、銀行届出印を持っていることを悪用し、理事長が通帳を再発行して出金した手口があるそうです。

しかし管理会社が毎月収支残高をチェックするので、通帳を再発行なんてすれば1か月以内にバレるはずです。

通帳と印鑑
同時保管は避けるべき

理事会ぐるみで不正を犯した事例

最初は悪意がなかったのに、徐々に感覚がマヒして不正の深みにはまることがあります。

「会議費」や「懇親会経費」という名目で、飲み食いしてしまうんです。

最初は弁当程度だったのが、酒が入って、外食や飲み屋代、タクシー代、どんどんエスカレートしていきます。

年1回の懇親会や、理事会で出るお菓子・お茶代程度なら認めている組合はありますが、これも度を超すと犯罪になりかねません。

<内緒ばなし・昔ばなし>

とあるマンションで、管理会社を変更することになりました。
その理事会は「理事会小口現金」という名目で数十万円の現金を管理していました。
次の管理会社に引き継ぐ決算書を作るため、その「理事会小口現金」を清算したところ・・・派手な飲み食い、タクシー代、酒代などやりたい放題の「使い込み」が発覚しました。

あえて詳細な使途・支払先の明細書を添付した決算書を提出したのですが、総会で配られた資料では別の名目に置き換えられてしまっていました。
意図的な隠ぺいです。

結局それも組合員から追及されてバレて、返金させられ、関係した役員は辞職し、退去した役員もいたそうです。

あらためて結論

目先の利益にとらわれると、大きなものを失います!必ずバレます!

そんなリスクを背負ってまで犯罪に手を染めるのは、感覚が少しずつマヒしていくのか、個人的に追いつめられているのでしょうか・・・・

確実に捕まって人生を失います

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