水漏れの「被害者」になったときにできること

漏水被害でできること

もし休日や夜中に突然、自宅の天井から漏水してきたら?

多くの方はショックを受け、気が動転してしまうことでしょう。

少しでも迅速に対応して、被害を少なくするためのポイントを考えてみました。

水漏れが起きているときに連絡する

漏水が起きているまさにその時、管理会社に連絡しましょう。
水漏れしていないときや、日数が経過してしまうと、調査が難しくなる可能性があります。

住民さん
住民さん

日曜だし夜遅いし、取り合えずバケツで水を受けておけば大したことないし。
時間があるときに連絡しよう。

水漏れが止まって乾いてしまったら、原因を探すのが難しくなます。

意外に管理会社に気をつかって(?)連絡を後回しにされる方もいて、気持ちはありがたいのですが、水漏れしている最中の方が原因を調べやすいです!

「水漏れ」にも色々ある

「水漏れ」には色んな原因があって、程度にも違いがあります。
管理会社に連絡を入れても、緊急度によってすぐ対応する場合や、翌日以降に対応する場合に分かれます。

あくまでケースバイケースですが、ざっくりと緊急度を分類してみました。

現象緊急度対応
蛇口からポタポタ水漏れ低い翌日以降
天井から水漏れしたが止まった中~高再発せず水漏れが少量なら翌日対応の場合も
特定の季節や天候で水漏れ中~高結露や雨漏れの可能性があり、漏水する条件が揃っているときに調査
天井から水漏れが続いていて止まらない高い即日対応、上階も含めた調査

どのような現象が起きているか、コールセンターに詳しく伝えることで、初期対応がより適切に行われます。

詳しく説明できますか??

即日対応と翌日以降の分かれ目

コールセンターの電話を受けた者が、入居者の説明から緊急度を感じ取らなければなりません。
とはいえ入居者が正確な状況を伝えるのは、なかなか難しいものです。

だから「緊急度を判定することが難しい」と判断すれば、基本的に現地にスタッフを派遣します。

結果的に大したことがなかったり、思ったより大事(おおごと)だったり、電話と現場に差があることも多いです。

音声だけで状況を把握するのは難しい

24時間対応の業者選び

管理会社のスタッフは専門業者・職人ではないため、漏水対応で出来ることは限られます。
管理会社は情報整理をして、その場に適した業者を手配します。

緊急対応では、管理会社が指定する業者、またはそのマンションに慣れている馴染みの業者に依頼するのがベストです。

緊急対応の業者選定は管理会社に任せた方が良い理由

水漏れは、原因を調べて修理するだけでは終わりません。

  • 入居者(加害者・被害者)との連絡調整
  • 管理組合とのやりとり
  • 管理会社との連携および情報共有
  • 保険会社に提出する報告書および適正な見積もりの作成

これらをソツなくこなすには、管理会社との信頼関係が下地にあって、そのマンションに慣れていることや、分譲マンションの施工経験が豊富であるなど、【技術力+α】が物を言います

住民さん
住民さん

知り合いの業者に頼んでおいたから、後は管理会社でよろしく

業者との意思疎通からスタートしなければいけません。

緊急対応ではそんな余裕もないし、丸投げは困ります!

個人的に業者を選ぶのも構いませんが、最後まで自分で管理してほしいものです。

昨今は24時間対応の業者が減っています。
とある業者によれば「働き方改革」で休日勤務を廃止した、若い人が緊急対応を嫌うため人材確保が難しい、とのこと。
給排水設備・消防設備は緊急対応の業者を確保しやすいのですが、その他の業種はお金を払っても動いてもらえません。
給排水設備・消防設備の業者は日ごろから管理会社との連携も取れていて、安心して任せられることが多いです。

漏水が起きた!すぐにできることは?

多くの管理会社は24時間体制で駆けつけてくれます。(契約内容による)

しかし緊急対応業務が契約に入っていなかったり、たまたま混みあって到着に時間がかかる場合もあるため、自分で出来ることを知るのも良いと思います。

以下のポイントは「被害の拡大をなるべく抑える」という目的で、出来る範囲でやった方が良いものです。

ポイント① 正確な情報を伝える

管理会社に連絡する際は、建物名(〇番館・〇号棟など)・部屋番号・名前・連絡先などの基本的な情報を間違えないことです。

情報が間違っていると、到着するのが大幅に遅れてしまいます
(自分の部屋番号や電話番号を間違える人、意外に多いです)

また、水漏れの場所・量・漏れ続けているか止まっているか・被害の大きさなど、できるだけ詳しい状況を伝えると、初期対応(出動する者の準備、予め業者に連絡するなど)がスムーズです。

ポイント② 点検口から覗いてみる

水漏れ付近の天井に点検口がある場合、中を覗いてみれば水漏れの原因が分かる場合があります。

例えば…

  • 天井のコンクリートのひび割れから漏れている → 上の階が原因
  • 天井裏の配管から漏れている → 自分の給水管?上階の排水管?
何ごともない時に一度のぞいてみては?

ポイント③ 被害の拡大を防ぐ

レジャーシートなどを敷いて、洗面器やバケツなどで水を受けて、床にたまった水を素早く拭き取ります。
放置すると下の階にも被害が拡大してしまいます。

これは何も言わなくても、殆どの被害者がやってくれていますね

ここから先は、更に踏み込んだ対応です!

ポイント④ 上階を訪問する

上の部屋を訪ねてみて、在宅しているかどうか、水漏れに心当たりがあるかどうか(決めつけはダメ)確認します。

そして「管理会社に連絡するので、この後は在宅して調査に協力してほしい」と頼んでおいてもらえると、その後の調査もスムーズです。

もっと言えば、自宅の被害を見てもらうのもいいです。(加害の大きさを認識してもらうと、示談が成立しやすい)

ポイント⑤ 給水バルブを閉める

水がどんどん漏れていて、管理会社の到着を待っていては被害が広がる。
でも上の部屋を訪ねてみても不在の場合。

パイプスペースの中の水道メーターを見てみましょう。(パイプスペースが施錠されていないことが条件ですが…)

水道メーターのコマ(パイロットと呼びます)が回転していたら、水が流れ続けている証拠です。

パイロットが回っていたら給水管から漏れている可能性が高い

不在なのに水が流れ続けている…ということは、給水関係の漏水の可能性が大です。

この場合は被害拡大のための緊急処置として、給水バルブを閉めます。

そして「漏水しているのでバルブを閉めました」とメモを、玄関ドアなど見やすい場所に貼っておきます。

ポイント④と⑤は、管理会社の到着を待ってもいいです。
被害があまりに大きい場合や、普段から上下階のコミュニケーションがとれているならやってみましょう。

上下階のコミュニケーションは、騒音問題・漏水問題など、色んなトラブル対応にも役立ちます。
被害者になることもあれば加害者になる場合もあるので、「お互い様」の気持ちを持ってほしいこと、普段から挨拶できる顔見知りの関係を作ってほしいと願います!

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