定期総会の仕切り~理事長の役割と管理会社フロントの役割

総会

管理会社のフロントが全組合員と顔を合わす数少ない機会、年1回の定期総会です。
理事長は「この総会でお役御免」とばかりに晴れやかな気持ちのようですが、フロントはそうはいきません。

総会はよく「管理会社のアピールの場」と言われます。

むしろ「審判の場」という心境かな

理事会を支えてスムーズに総会を終えるのがフロントの役目。
アピールという側面もありますが、一年間の総括で会社や自分の仕事ぶりが評価され、同時に今後に期待を抱いてもらうことが出来るか試される場です。

議案書の作成は「共同作業」

組合員の手元に届く総会議案書は「理事長名」で配布されますが、元々は管理会社フロントが作った「素案」をたたき台にして議論し、修正加筆などが入ります。
管理組合の意向はあるものの、ベースとして、管理会社の特色や能力が色濃く反映されています。

議案書の中で、決算書は決まった書式に結果が入るだけです。管理会社のフォーマットをそのまま使うケースも多いし、変にいじると間違いや不正のもとなので、フロントとしての個性は出ません。

一方で「事業計画」「予算(金額)」など「未来」「これから」に関することは、フロントが個性を発揮しやすいでしょう

過去を振り返った上で、これからやるべきこと、やらなくてはいけない課題を盛り込みます。

知識、経験、企画・提案力、文章力、説明力などがトータルで試されるわけですね。

しかし、忘れてはならないのは議案書の最終責任は理事会(理事長)にあるということ。

車の両輪…いやエンジンとハンドルのように、パートナーとして共同で作り上げるものを忘れてはいけません。

とはいえ、資料が間違っていた時の矛先は管理会社に向いてくるので、素直に謝りますけどね

机といすの配置…気にしたことありますか?

これは私だけのこだわりかもしれません。

会場の広さや人数で制限される場合は別として、机といすの配置は「学校形式」ではなく「ロの字型」をお願いしています。

全員、お互いの顔が見える座り方ですね。

理事会役員と管理会社が前方に、一般組合員が後方に座る「学校形式」では、嫌でも 理事会 VS 一般組合員 の対立イメージになります。
これではまるで説明会です。

でも役員も同じ住民。たまたま立場は違えど、総会はみんなが作り上げるもの。
どちらが上とか下とか、ありません。
上から押し付けたり、下から突き上げる場であってはいけない、という思いです。

役員を追及したり、組合員に対して偉そうに押し付けたり、逸脱した不遜な態度を見て腹が立つこともあります!

そういう理由から「ロの字型」に配置することをお願いしています。

会議のイラスト(老若男女)
お互いの顔が見えるように話すのがベストだと思います

総会の仕切りは誰の役目

流れは決まっている

総会資料に「総会次第」がありますので、その順番通り進めていきます。

開会のあいさつから始まり、総会成立要件の確認、議長選出、議事録署名人の選出、議案審議。
それが終われば、フリートークの意見交換の時間を設けて、最後に閉会のあいさつ。

多少の違いはあれど、大体こんな感じでしょう。

誰でも出来るように準備

理事会のメンバーで役割分担して、全て仕切る組合もあります。
管理会社はお客さんのような扱いです。
管理組合が主催だから何もおかしくないし、本来あるべき姿です。
管理会社に委託していない、自主管理の管理組合なら普通にやっていることですからね。

でも現実的に、ほとんどは管理会社にお任せだと思います。
そこに管理会社の存在意義があるとも言えますね。

だからといって、全部フロントが喋って仕切るのはご法度です。
主催者と管理会社の線引きは必要です。

たとえ押し付けられて「右も左も分からない」という態度の理事長でも、議長として「進行と仕切り」は必ずしてもらいます。

でも、ぶっつけ本番で「議長をやれ」と言われても、何を喋ればいいのか分からないのも当然です。
総会に一度も出席したことがない理事長だっています。

そこで「総会用カンペ」を用意します。
いつ何を言えばいいか、全体の流れやセリフまで、すべて書かれた台本です。
それを総会前の理事会でお渡しして、予習してもらいます。

プリントを持っている先生のイラスト
「ここで管理会社に振ってください」など詳しく書いています

議長にやってもらうこと

進行は議長。質疑応答を受けるのも議長。
説明や答弁は、議長が担当理事や管理会社を指名してから説明させる。

この原則は崩せません。
だから、議長の指名が無い限り、フロントの私も勝手に口出しはしません。
(アイコンタクトで、こっちに振ってください!のアピールはします)

議案の進行は、
議案の紹介 ➡ 説明 ➡ 質疑の受付 ➡ 答弁者を指名・回答 ➡ 承認の確認(採決)
という流れです。

議長から指名されれば、議案の説明や質疑の回答は、フロントが担当します。
ただし、議案の中でも次の2つは議長自らに提案と説明をお願いしています。

1.管理会社との委託契約更新の議案

選ばれる立場の管理会社が熱弁を振るって「これで承認してください」と尋ねるのは変です。
議案である以上、理事会が「この管理会社とこの内容で契約して良いですか」と提案するべきだからです。

2.役員改選

管理組合の人事は、管理組合の柱。
管理会社は一切口を出さない、というのが私の信条でもあります。
新役員の紹介は議長から。名前を紹介するだけだから簡単です。

名前を紹介するだけなんだから、管理会社がやっても…と思うかもしれませんが、役員人事は組合のもの。これもケジメです!

失敗談

フロントになって間もないころ、総会開催の開催宣言、進行、議案説明、採決、閉会宣言まで、全てフロントである私が喋っていました。
理事長の出る幕なしです。

叱られる部下のイラスト(男性・落ち込む)
なんでお前が全部仕切ってんだよ!と上司に叱られました

しかも説明がめちゃくちゃ早口で、組合員を置き去りにしていたそうです。(自覚は無い)
自分に自信と余裕がなくて、周りを見れなかったんだと思います。

今は努めてゆっくり話して、かつ、出席者の表情や反応を見るように意識しています。

意識しないと、うっかり早口になってしまいます。

自分の説明を理解してくれている表情かな?

説明しているページを見てるかな?

観察すれば、話し方も変わります。

まとめ

総会の仕切りの中心は「議長」です。
フロントはサポートをしますが、あくまで黒子に徹します。
総会は、管理会社のアピールの場ではなく、管理組合・組合員が主人公です。
総会は議長を中心に進行することは、建前であっても大事にしたいです。

議長を中心に進行して、管理会社がサポートする。
そうすることによって「理事長は管理会社のサポートがあるから誰でも出来るんだ」という安心感を与えられるといいなと思います。

黒子的には、準備が完璧なシャンシャン総会が理想

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